2005 Fiscal Year Annual Research Report
IL-6産生非小細胞肺癌に対するデコイ型核酸を用いた免疫遺伝子治療に関する研究
Project/Area Number |
16591385
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
飯笹 俊彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10272303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 武彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80110328)
渋谷 潔 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20302565)
関根 康雄 千葉大学, 大学院医学研究院, 助手 (70312957)
鈴木 実 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (80312940)
伊豫田 明 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (10302548)
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Keywords | 非小細胞肺癌 / インターロイキン6 / 免疫療法 / 遺伝子治療 / マイクロアレイ / デコイ型核酸 |
Research Abstract |
肺癌の治療成績は、診断技術ならびに治療の進歩により改善されつつある。しかし治癒切除例でも転移をきたす症例は多く、新たな転移制御法の開発が望まれる。一方肺癌の転移成立に際し、微小転移巣では免疫監視機構からの逸脱が起こるといわれている。我々は、これまで肺癌細胞はIL-6を産生し、IL-6の発現による腫瘍細胞の増殖ならびに患者血清IL-6値と臨床像との関連性を報告してきた(第43回日本肺癌学会総会、42巻、516、2002、第92回アメリカ癌学会抄録,42,874,2001)。本研究では、肺癌細胞より過剰産生されるIL-6が、宿主免疫能低下と密接な関連性があるといわれるサイトカインの不均衡をもたらし、肺癌患者の免疫能低下に重要な役割を担っているのではないかとの着想に至った。肺癌細胞からIL-6(インターロイキン6)が高頻度に産生されることを明らかにし、IL-6の過剰産生から担癌宿主に腫瘍増殖促進ならびに免疫能の低下がおこり、肺癌の進行を早める可能性を指摘した。 さらにIL-6により、肺癌細胞におこる遺伝子の変化ならびに腫瘍組織に浸潤する免疫担当細胞を解析することから、担癌宿主における腫瘍増殖促進機構ならびに免疫応答の解明を目指した。また担癌宿主の免疫能を回復させ転移を制御するためにIL-6産生を抑制することが可能なデコイ型核酸をもちいた免疫遺伝子治療の実験的研究を試みた。本計画によりIL-6により惹起される肺癌増殖促進および免疫能低下の機序を解明するとともに、IL-6制御を目的とした免疫遺伝子治療が、肺癌の転移制御に応用可能であることを示し、肺癌の治療成績の向上を目指した。
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