2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNAメチル化プロファイリングによる肺癌の個性診断
Project/Area Number |
16591386
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
川上 和之 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (00293358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 誠 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (50224241)
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Keywords | 肺癌 / 分子生物学 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
外科的切除を受けた肺癌350例の腫瘍組織および近接正常組織(ホルマリン固定パラフィン包埋ブロック)よりDNAを抽出した。抽出したDNAの内、現在までに腫瘍組織由来DNA150検体、正常組織由来DNA150検体をbisulfite処理し、MethyLight法によりp16,hMLH1,APC,MGMT,DAPK,MYOD1,TIMP3のプロモーター領域におけるDNAメチル化を定量した。腫瘍組織(T)と正常組織(N)におけるそれぞれの遺伝子のhypermethylation(HM)頻度は、p16(T),14.1%;p16(N),1.8%;hMLH1(T),0.7%;hMLH1(N),0%;APC(T),24.8%;APC(N),8.8%;MGMT(T),67.2%;MGMT(N),87.5;DAPK(T),1.6%;DAPK(N),3.6%;MYOD1(T),42.2%;MYOD1(N),34.4%;TIMP3(T),3.1%;TIMP3(N),3.6%であった。P16とAPCのHMは消化管腫瘍と同様に癌特異的な変化と考えられた。microsatellite instability(MSI)陽性癌の主因と考えられているhMLH1のHMはほとんど認められなかった。マイクロサテライト解析においても解析した80例中にMSI陽性の腫瘍は認められず、日本人の肺癌発症にはhMLH1HMとMSIは関与していないと考えられた。MGMTとMYOD1は正常組織においても高率にHMが認められ癌非特異的な変化と考えられた。しかし、腫瘍組織におけるMYOD1のmethylation levelは肺癌患者の予後と関係し、新たな予後因子となる可能性が示唆された。また、p16のHMも肺癌患者の予後と相関しており、複数の遺伝子を総合的に予後因子として利用できると考えられた。
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Research Products
(2 results)