2004 Fiscal Year Annual Research Report
心臓粘液腫におけるWntシグナル伝達経路を中心とした腫瘍特性の研究
Project/Area Number |
16591389
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
天野 純 信州大学, 医学部, 教授 (20138283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 淳 信州大学, 医学部, 教授 (10221459)
藤森 実 信州大学, 医学部, 助教授 (00262725)
伊藤 研一 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (10334905)
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Keywords | 心臓 / 粘液腫 / Wntシグナル / βカテキン / 糖タンパク / プロテオグリカン |
Research Abstract |
1)心臓粘液腫におけるWntシグナル伝達経路の解析 心臓粘液腫において、その腫瘍発生がいかなる経路によるものかを検討した。その際、Wntシグナル伝達系に着目し、その伝達系に関与する遺伝子の解析を行なった。 その結果、Wntシグナル伝達系において重要な役割を果たしているβカテニンの細胞内および核内蓄積を、ウエスタンブロットおよび免疫染色で明らかにした。またその下流遺伝子であるc-mycの発現増加をRT-PCRおよび免疫染色で確認した。 またβカテニンの分解に関与している蛋白のうち、APC遺伝子の変異について検討をおこなったが、APC遺伝子には変異は認められなかった。一方でWnt蛋白そのものの発現増加についてRT-PCRを用いて検討し、その発現が増加していることを示した。 2)心臓粘液腫の間質構成成分の検討 心臓粘液腫の腫瘍細胞以外に、腫瘍の大部分を占めている間質について、その構成成分がどのようなものであるかを検討するため糖タンパクについて検討した。とくにプロテオグリカンに関し、そのGAGの解析を行い、分布について検討した。その結果、これらプロテオグリカンの分布と、心臓粘液腫に特徴的な血管様構造との間には密接な関係があることが示された。したがって、心臓粘液腫の特徴的な構造およびその増殖にはこのプロテオグリカンの分布特異性が大きく関与している可能性が示された。
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