2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591407
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
宮地 鑑 北里大学, 医学部, 講師 (40281703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 邦義 北里大学, 医学部, 助教授 (40075510)
吉村 博邦 北里大学, 医学部, 教授 (40050554)
中島 光貴 北里大学, 医学部, 助手 (70328417)
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Keywords | tactile stiffness / 局所心筋機能 / 冠状動脈狭窄モデル |
Research Abstract |
平成8年度よりわれわれは触覚センサー(tactile sensor)を用いた局所心筋機能の評価法の検討を行ってきた。筒状型センサーを開胸下に犬の左心室表面、心外膜側に接触させて心拍動下の心筋の硬さ(tactile stiffness)を計測した。この結果、心筋の硬さの心拍動下の経時的変化の測定に成功した。心室の容積を変化させることで、計測された硬さ、stiffnessは容積に応じて変化したことより、計測されたstiffnessは従来より提唱されているstiffnessとは異なり、局所心筋の壁張力に相関していることが推測された。Artsらが報告しているモデルより計算された心筋のfiber stressとtactile stiffnessとは様様な条件下で極めて強い相関がみられ(R=0.893)、われわれの計測したstiffnessは局所心筋の発生張力を表していることが証明された.本研究では臨床応用可能な針型センサーの開発をすすめ、計画に遅れを生じたものの結果的に開発・作製に成功した。ブタを胸骨正中切開下に人工心肺を導入。冠状動脈前下行枝末梢を完全閉塞したときの左心室前下行枝末梢の支配領域心筋のtactile stiffnessの変化を計測した。完全閉塞時の左心室全体の機能にはほとんど変化は見られなかったが、収縮末期tactile stiffnessは著明に低下した。バルーンにより狭窄を作製することでその血流を減少させて、支配領域の心筋tactile stiffnessを計測した。収縮末期tactile stiffnessは著明に低下し、tactile stiffnessは軽度の心筋虚血においても極めて鋭敏な心筋機能評価法である可能性が示された。
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