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2004 Fiscal Year Annual Research Report

原発性非小細胞肺癌における腫瘍内低酸素状態と悪性形質の進展

Research Project

Project/Area Number 16591408
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

江口 圭介  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90232941)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 川村 雅文  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70169770)
小林 紘一  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80051704)
Keywords原発性非小細胞肺癌 / 腫瘍内低酸素 / HIF-1α / VEGF
Research Abstract

手術治療が第一選択となる小型の原発性非小細胞肺癌、特に肺腺癌では、最も多い浸潤癌以外にも、前癌病変の可能性のある異型腺腫様過形成、上皮内癌である限局性肺胞上皮癌が近年、認められる機会が多くなった。癌は一般にその組織内に低酸素領域を有し、その領域の存在が放射線や抗癌剤治療への抵抗性に影響したり、血管新生因子など癌自体の増殖、進展にかかわる遺伝子の発現を惹起したりすることが知られている。進行した大きな腫瘍検体は、癌の増殖や進行の過程からすれば「成れの果て」であり、より早い時期における腫瘍内低酸素の役割を研究することがメカニズムの解明には重要である。そこで、なるべく主病変の小さい、臨床的に早期といえる肺癌検体を用いることが必要と考えた。
慶應義塾大学病院・呼吸器外科で2000年から2004年までに完全切除した原発性非小細胞肺癌のうち画像診断上直径2cmの腫瘍のパラフィン切片から免疫組織学的検索により低酸素刺激に反応して発現するHIF-1α蛋白の発現を確認した。肺腺癌50例のうち、HIF-1α蛋白の発現はごく腫瘍の一部にのみ発現している症例を含めると74%に認められ、VEGF蛋白の発現(62%)状態ともほぼ近似していた。
仮説の段階では、腫瘍内の細胞の密度が高いものほど低酸素領域を多く認めると考えていたが、実際の免疫染色の結果では、肺腺癌の場合、腫瘍細胞の密度の低い、限局性肺胞上皮癌や腫瘍辺縁の乳頭状増殖の部分に比較的HIF-1α蛋白の発現が顕著に認められるものがある反面、細胞の密度の高い低分化癌などではむしろ発現があまり認められなかった。そのことから腺癌細胞におけるHIF-1αの発現は単に低酸素シグナルのみで制御されているものではない可能性も推測され、今後肺腺癌細胞の遺伝子異常の関与を検討していく予定である。

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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