2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロサンプリング法を利用した気道被覆液解析による小型肺腺癌の診断に関する研究
Project/Area Number |
16591411
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 真純 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90201227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20198724)
江口 圭介 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90232941)
小林 紘一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80051704)
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Keywords | 気管支鏡 / マイクロサンプリング / 気道上皮被覆液 / 肺癌 / プロテオーム解析 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
1)気管文鎮下マイクロサンプリング法による気道上皮被覆液(ELF)の採取と遠心法によるMSブローブからの高濃度ELF回収。 今年度は肺癌臨床症例10例で気管文鎮下MS法によるELFの採取を行った。プロテオーム解析用の高濃度ELFを回収するためスピッツ内に固定したブローブを遠心し5μl程度のELF回収が可能であった。 2)肺癌症例ELFからのプロテオーム解析。 上記により回収したELFの1μlを用いてサイファージェン社プロテインチップシステムによる解析を行った。同法ではチップに捕捉されたタンバクをパルスレーザー照射によってチップ表面からイオン化脱離し飛行させる。飛行時間から質量数とイオン強度を測定する。腺癌症例で腫瘍側と健常側を比較したところ腫瘍側ELFでは陽イオン交換で3460、9280、20800Da付近に健常側では認められないピークを認めた。陰イオン交換では5230kDa付近にピークを認めた。また、6000Da付近に複数のピークを認める症例も存在した。 ELF検体のタンパク質量分析が可能なことが判明したので、得られたピークの同定を行う目的で電気泳動法によるプロテーム解析を開始した。 3)ゲフィチニブ(イレッザ^<TM>投与肺癌症例におけるELF中マーカーの変化による抗腫瘍効果の評価 ゲフィチニブ投与前と投与後2週日の2回に腫瘍近傍などからELFを採取しCEA、KL-6、SP-A、VEGF、IL-8の各項日を測定した。15例中ゲフィチニブの治療効果あり群(9例)と効果なし群(5例)に分けて検討したところ、効果あり群でELF中のCEA、KL-6、SP-Aはいずれも有意に減少、効果なし群で有意に増加していた。一方、血清中ではCEAが効果あり群で減少したが、その他のマーカーは有意な変動を示さなかった。BMS法による解析ではCEA、KL-6、SP-Aはいずれも肺癌の治療効果を鋭敏に反映していた。
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