2005 Fiscal Year Annual Research Report
術中の側頭葉内側部分切除または離断による皮質脳波変化の検討
Project/Area Number |
16591431
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川合 謙介 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70260924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 恭輔 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80372374)
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Keywords | 難治性てんかん / 側頭葉てんかん / 術中皮質脳波 / 海馬 / 機能温存的治療 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)側頭葉てんかん焦点に対する手術中に、様々な選択的切除や離断による皮質脳波の変化を検討して、てんかん性発射の発生機構を解明すること、(2)側頭葉内側のてんかん原性を抑制するのに必要な最小限の切除または離断方法を決定し、より低侵襲な機能温存的治療法の開発に繋げること、である。 本研究開始後、平成18年3月までに15例の側頭葉てんかん患者に対して、術中脳波を測定しながら、手術を行った。術式として、萎縮の明らかな海馬に対しては切除術を行い(4例)、萎縮のない海馬に対しては術中脳波に基づいて、新しい機能温存的手術法である海馬多切術(11例)を加えた。 昨年までの知見に加え、今年度あらたに得られた知見は以下の通りである。 (1)海馬脳室面から記録される棘波の主体は陽性である。これは大脳皮質とは錐体細胞の方向が逆になっているためと推察される。ただし、陰性棘波も観察され、海馬支脚や歯状回起源の可能性が考えられる。海馬と海馬傍回の棘波は同期するもの、独立するものがあり、前者では海馬傍回が先行することが多い。同期にも潜時のある同期とない同期があり、前者では、シナプスを介した波及が、後者は容積伝導効果が考えられる。 (2)海馬多切術の発作抑制効果と機能温存効果を検討した。発作成績については、少なくとも短期成績は切除術と同等であり、今後長期追跡が必要だが、充分期待できるものである。言語性記銘力については、術前値が良好な患者で言語優位側手術後には明らかな低下を来すが、6ヶ月後には術前レベルに回復する。手術部位の局所糖代謝や局所血流は6ヶ月後にも低下したままであり、術前と同様の神経構造や回路において機能回復するのか、術前とは異なる神経構造や回路が動員されるのか、今後fMRIなどを取り入れた今後の検討が必要である。
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Research Products
(3 results)