2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血におけるサイトカインシグナル伝達異常機構の解明と新しい脳卒中治療法の開発
Project/Area Number |
16591444
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
秦 龍二 愛媛大学, 医学部, 助教授 (90258153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 丘倫 愛媛大学, 医学部, 教授 (70233210)
久門 良明 愛媛大学, 医学部, 助教授 (80127894)
田中 潤也 愛媛大学, 医学部, 教授 (70217040)
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Keywords | 脳虚血 / サイトカイン / Stat3 / 神経細胞死 / アポトーシス |
Research Abstract |
我々はリン酸化Stat3が脳虚血巣で発現が亢進している事を見い出し報告した(Neurosci Lett,303:153-156,2001)。そして免疫電顕による検討では、リン酸化Stat3発現細胞は全て神経細胞であり、しかも細胞膜破壊が見られる変性細胞である事を明らかとした。即ち脳虚血の際にはStat3が活性化して神経細胞死を誘導する可能性が示唆された。そこで本研究は、脳虚血という病的状態でのサイトカインシグナル異常と神経細胞死の関係を明らかとし、新しい脳卒中治療法の開発を目的としている。本年度は以下の研究をおこなった。 1)アデノウイルスベクターの調整 Stat3のwild formやそのdominant negative form、及びStat3の活性化を抑制する事が知られているCiS3 (cytokine-inducible SH2 protein 3)/SOCS3のアデノウイルスベクターを調整し(ウイルスの増殖、力価の評価)、実験に供した。 2)初代培養神経細胞や神経膠細胞を用いた機能解析 初代培養ラット神経・神経膠細胞にStat3のwild formやそのdominant negative form、及びCis3/SOCS3をウイルスベクターを用いて強制発現させ、サイトカインシグナル機能を亢進又は抑制させた。神経膠細胞ではStat3のwild formを強制発現させると明らかに細胞死が誘導された。一方神経細胞では強制発現させても大きな変化は見い出されなかった。 3)神経細胞とマイクログリアの共培養による両者の相互作用の検討 脳虚血の際にマイクログリアは重要な働きをする事はいうまでもない。そこで初代培養神経細胞にウイルスベクターを用いて、Stat3のwild formやそのdominant negative form、及びCIS3/SOCS3を強制発現させた後、マイクログリアと共培養を行い、ニューロン・マイクログリアの相互作用を検討した。その結果Stat3のwild formを強制発現させた後、マイクログリアと共培養させると、明らかに神経細胞死が促進された。
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Research Products
(2 results)