2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄幹細胞の末梢血中への導引による脊髄損傷治療効果の基礎的解析
Project/Area Number |
16591450
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
野中 雅 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60180759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90285007)
寶金 清博 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90229146)
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Keywords | adult / bone marrow / gene / human / neuroprotection / peripheral blood / spinal cord injury / transplantation |
Research Abstract |
当該年度は、末梢血中に存在する幹細胞(PMSC)と、骨髄中に存在する骨髄幹細胞(BMSC)を用いて、in vitroにおける増殖能や神経への分化能について検討するとともに、脊髄損傷に対する細胞治療の実現に向けたな基礎研究を行った。 1:末梢血中の骨髄幹細胞の抽出・培養 成熟ラットを用いて、末梢血中の幹細胞の抽出・培養を試みた結果、骨髄幹細胞と同様な細胞の培養・増殖に成功した。現在、ヒト成人における末梢血からの抽出・培養を試みている。 2:末梢血中の幹細胞(PMSC)と、骨髄中の骨髄幹細胞(BMSC)の細胞生物学的比較 PMSCとBMSCの細胞生物学的特性を検討した結果、増殖能において、著明な差異が認められた。すなわち、PMSCはBMSCと比較して、in vitroにおける増殖スピードは遅いものの、治療に必要量までの増殖は可能であることが判明した。 3:PMSCとBMSCの神経幹細胞へのtrans-differentiation能における比較 PMSCとBMSCの分化能をin vitroで検討した結果、同様な分化能が認められた。すなわち、両者とも神経幹細胞へ良好な分化誘導が可能であり、また、更に、神経細胞やグリア細胞への分化も高率に誘導することが可能であった。 4:骨髄に固定されている骨髄幹細胞の末梢血中への動員 いくつかの活性物質を正常ラットへ投与した結果、末梢血中に漏出する幹細胞数を検討した結果、ある腫の物質に誘発作用があることが判明した。現在、immorbilized PMSCとprimary PMSCとの生物学的差異について検討中である。 5:PMSCによる治療効果の検討 PMSCを脊髄損傷モデルに移植した結果、治療効果があることが判明している。現在、治療効果についてBMSCとの比較解析を行っている。 以上のように、補助金は補助条件に従って、非常に有効に使用されている。
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