2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間質細胞の神経分化誘導作用と神経栄養効果の検討
Project/Area Number |
16591456
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
中尾 直之 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30301435)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 徹 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40100995)
|
Keywords | 細胞移植 / ES細胞 / ドーパミン細胞 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトの達成目標は、中脳ドーパミン細胞の変性をきたすパーキンソン病に対する同細胞の再生・移植療法への応用の可能性を探るために、骨髄間質細胞(bone marrow-derived stromal cells)が有する(1)神経栄養効果と(2)神経分化誘導作用を明らかにすることにある。平成18年度も前年度に引き続き、骨髄間質細胞が有する(2)神経分化誘導作用について検討した。今年度は、特にその分化誘導メカニズムの解明を試みた。以下に、その結果を要約する。 (1)神経細胞マーカーの発現の経時的変化:マウスES細胞を浮遊細胞集塊として培養すると、その4日目で神経幹細胞マーカーのnestinが発現する。次に、これらの細胞集塊を骨髄間質細胞と共培養すると、神経細胞マーカーであるNCAMの発現が認められ、経過とともにその発現程度が増加することを証明した。 (2)神経分化誘導作用のメカニズム:骨髄間質細胞を用いた神経分化誘導過程において、BMP4を添加すると、その分化誘導が著明に抑制される。さらに、BMPシグナル活性を抑制する分子であるnogginやchordinの発現を神経分化誘導過程のES細胞で調べると、マウスES細胞を骨髄間質細胞と共培養することにより、これらの分子に関連するmRNAの発現が著明に上昇していることが判明した。 以上の結果より、骨髄間質細胞はES細胞に対してBMPシグナル活性を抑制し、神経分化誘導作用を発現させている可能性が示唆された。
|
Research Products
(2 results)