2004 Fiscal Year Annual Research Report
羊膜細胞による神経再生研究-神経幹細胞としての確立と虚血脳への移植
Project/Area Number |
16591460
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
新井 一 順天堂大学, 医学部, 教授 (70167229)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
屋田 修 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30265996)
阿部 祐介 順天堂大学, 医学部, 助手 (60286721)
|
Keywords | 羊膜細胞 / 神経幹細胞 / 脳内移植 / 神経細胞 / 神経再生 |
Research Abstract |
今回、我々は羊膜細胞の神経幹細胞としての可能性と脳内移植における羊膜細胞の変化・成長について検証を行った。 方法:(1)妊娠16日及び17日目Wister Ratより羊膜を採取し、37℃インキュベータ内においてB27/DMEM mediumを用いて3日間培養を行い、培養羊膜細胞を樹立した。(2)培養羊膜細胞に神経系マーカーによる免疫組織学的染色を行い、そのpotencialを検索した。又、RT-PCRを用いて同様に解析を行った。さらに、GFPを指標にしたレトロウイルス導入を行った。(3)培養後medium内に浮遊している未分化な状態の羊膜細胞を採取し、PKH26にてlabelingを行った後、8〜9週齢の正常Wister Rat脳(海馬)内に定位脳手術装置を使用し移植を行った。(4)羊膜細胞移植後2週、4週、8週Ratを還流固定し、移植部位の脳切片を作成。羊膜細胞の形態変化や正着度を観察すると共に、神経系マーカーを用いた免疫組織学的検索を行った。 結果:(1)培養羊膜細胞は、ニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトの各々のマーカーの発現を認め、RT-PCRによっても確認された。又、レトロウイルス導入も確認された。(2)移植脳内において、羊膜細胞は長期にわたり良好な生存、正着を認めた。又、移植後の経時的観察にて脳内における移植細胞の移動も認められた。(3)移植脳内において羊膜細胞の一部は神経細胞様の形態変化・成長を来した。(4)神経細胞様形態変化を来した羊膜細胞は、免疫組織学的検索において、培養細胞と同様にニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトの各々のマーカーの発現を認めた。(5)全ての時期において移植羊膜細胞の腫瘍化は認められなかった 考察:羊膜細胞は多分化能を有する結果から、神経幹細胞としての特徴を有していると考えられた。又、脳内における移植羊膜細胞所見より、今後、損傷神経において移植再生治療のドナーと成り得る可能性が示唆された。
|