2005 Fiscal Year Annual Research Report
低密度培養にて単離増殖させた滑膜組織幹細胞による再建前十字靭帯の治癒促進法
Project/Area Number |
16591477
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宗田 大 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50190864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関矢 一郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10345291)
高久田 和夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70108223)
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Keywords | 滑膜間葉幹細胞 / 治癒過程の促進 / 腱移植術 / 前十字靱帯損傷 / 前十字靱帯再建術 / 組織学的検討 / 生体力学的検討 |
Research Abstract |
実験1:滑膜幹細胞による移植腱骨移行部の治癒促進法 方法:12週令雄SDラットの膝関節から滑膜組織を採取し、collagenase処理して接着細胞を2週後に回収した。移植腱としてアキレス腱を採取し骨孔から引き出し、脛骨上で骨孔の3mm遠位部のスクリューに縫合した。間質性幹細胞移植群(M群)では蛍光色素DiIを用いて標識した細胞を含んだアテロコラーゲンゲルを、対照群(C群)ではアテロコラーゲンゲルのみを骨孔内に満たした。術後1、2、4週で組織学的検討と蛍光顕微鏡を用い細胞の動態を追跡した。 結果:組織学的検討ではM群の1週ではC群より骨孔内のコラーゲンの量が多く成熟が進んでいる傾向が認めた。M群の2週では成熟がより進み、4週ではC,M群両者とも成熟が完成していた。蛍光顕微鏡による観察ではM群の1、2週とも骨孔、接触面に注入した細胞が残存していたが4週では骨孔に細胞はほとんどみられなかった。 実験2:滑膜幹細胞によるIn situ freezingした膝前十字靱帯(ACL)の治癒促進法 方法:日本白色家兎より採取した滑膜をcollagenase処理し、得られた有核細胞を播種、培養し接着細胞を回収した。液体窒素を用いて家兎の前十字靱帯(以下ACL)をin situで凍結処理し、ACL内の線維芽細胞を完全に死滅させた。I群にはcontrolとして凍結処理のみを行った(control群)。II群にはコラーゲンゲルのみをACL周囲に投与した(gel群)。III群にはDiIにて標識した滑膜細胞をコラーゲンゲルを担体として投与した(MSC群)。昨年度の検討にて10^7細胞/mlの投与量ではDiI陽性細胞が少数認められるのみであったため、今回は10^8細胞/mlの濃度で投与した。2、4、8、12週後に屠殺し、HE染色による組織学的検討と蛍光顕微鏡による移植細胞動態を検討した。 結果:Msc群においては術後2週にてほぼACL全周に滑膜被覆を認め、被覆滑膜組織内に多数のDiI陽性細胞を認めた。4週では一部ACL実質内での細胞浸潤および血管新生を認め、12週では中心部まで細胞浸潤を認めた。DiI陽性細胞は12週後にも残存していたが浸潤細胞には認めず、その数は継時的に減少した。
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Research Products
(8 results)