2007 Fiscal Year Annual Research Report
自家軟骨細胞とβ-TCPを用いた骨軟骨複合組織の作成と変形性関節症の治療への応用
Project/Area Number |
16591497
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松田 秀一 Kyushu University, 大学病院, 講師 (40294938)
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Keywords | 軟骨修復 / 間葉系幹細胞 / トリリン酸カルシウム / II型コラーゲン / 軟骨細胞 |
Research Abstract |
トリリン酸カルシウム(TCP)上で間葉系幹細胞を培養し、骨軟骨様複合組織を作成し、家兎骨軟骨欠損モデルへの移植を行った。 成熟した日本白色家兎50羽を用いた。腸骨骨髄より採取した間葉系幹細胞を培養・増殖した。この細胞を用いて直径4.8mm、厚さ4mmの円柱状の未分化間葉系幹細胞プラグを作成した。家兎大腿膝蓋骨溝に作成した骨軟骨欠損部にプラグの自家移植を行い、1週間ギプス固定を行った。術後3、6、12週、24週、52週に屠殺し、組織学的評価及びマイクロCTを用いて骨化の状態を評価した。また、移植された細胞を追跡するため、4羽のウサギには、蛍光色素を各細胞に取り込ませたプラグを移植した。 移植後の経過とともに、周囲の健常部から連続性をもって移植部中心に向うII型コラーゲンを主体とした硝子軟骨の出現と、それに引き続く内軟骨性骨化を認めた。軟骨レベルでは硝子軟骨の出現後は内軟骨骨化を認めなかった。マイクロCTでも週の経過とともに軟骨下骨レベルでの中心への骨化を認めたが、軟骨層への骨化は認めなかった。移植直後は高い細胞密度であったが、経過と共に健常部と同等の細胞密度となった。組織学的には半年、一年間と再生軟骨が良好な状態で維持されていた。 蛍光色素は修復軟骨、軟骨下骨で検出され、移植された幹細胞そのものが生着し、軟骨、骨とそれぞれ分化したことが確認された。再生された軟骨は触診レベルでは周囲の正常軟骨と同程度の堅さと滑らかさをもっていた。 本システムは、本法は遺伝子や成長因子などを用いなくても硝子軟骨が再生可能であり、安全面、コストの面で臨床応用に有用であると考えられた。
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Research Products
(3 results)