2005 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチの発症と進展におけるシトルリン化II型コラーゲンに対する自己免疫
Project/Area Number |
16591513
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Research Institution | The Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
辻 美智子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80207365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 衛 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10266702)
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Keywords | 関節リウマチ / シトルリン化 / II型コラーゲン / 自己抗体 |
Research Abstract |
近年,関節リウマチ(RA)は,シトルリン化との関連が指摘されている。本症では、ペプチド中のアルギニンをシトルリンに変換する酵素であるpeptidylarginine deiminase (PADI)のisozyme中のtype4が炎症部位に集積する顆粒球に主に発現しており、特異的に関節内の蛋白質や分解されたペプチドのシトルリン化が亢進しているものと推測されている。 そこで本研究は、シトルリン化したII型コラーゲン分解産物が本症の自己抗原である可能性を検討することにより、RAにおける自己免疫応答の発生機序の解明と、血清中のシトルリン化II型コラーゲン分解産物の測定が新たな早期診断ならびに骨・軟骨破壊の進行予測のための診断法となる可能性について検討した。 まず、RA患者の炎症関節の中に、このシトルリン化II型コラーゲンに対する自己抗体があるのかについて検討した。関節炎を起こしている膝関節の関節液を、RA患者15例とOA患者41例から採取しELISAを行った結果、OA群を対象とした揚合、13例のRA患者の関節液が陽性であり、inhibition assayでは、約90%以上が抑制された。 次に、RA患者の炎症関節滑膜に、この自己抗体を含んだ抗原抗体複合体が沈着しているのかについて検討した。炎症滑膜をRA患者8例とOA患者11例の膝関節より採取し、抗原抗体複合体を中性pHで解離するバッファーを用いて、自己抗体の抽出を試みた結果、OA群を対象とした場合、8例全例が陽性であり、inhibition assayでは、約90%以上が抑制された。 以上の結果、RAではシトルリン化II型コラーゲンに対する自己抗体が産生され、これを含む免疫複合体が関節滑膜に沈着していることが判明した。
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Research Products
(1 results)