2004 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨に対する機械的ストスレとガスメディエーターの関与
Project/Area Number |
16591516
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
福田 寛二 近畿大学, 医学部, 教授 (50201744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 和裕 近畿大学, 医学部, 講師 (20258031)
野中 藤吾 近畿大学, 医学部, 講師 (70268407)
西坂 文章 近畿大学, 医学部, 助手 (80330314)
山崎 顕二 近畿大学, 医学部附属病院, 助手 (70368322)
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Keywords | 軟骨細胞 / 変形性関節症 / 機械的ストレス / 活性酸素 |
Research Abstract |
白蓋形成不全に起因する変形性股関節症や,重度の不安定性を有する膝関節に合併する変形性膝関節症といった二次性変形性関節症の発症には,機械的ストレスが重要な役割を果たす.しかしながら,軟骨細胞または軟骨組織に加わる機械的ストレスがどのような機構で軟骨変形を惹起するかについては不明であった福田はこれまでに機械的ストレスに対する軟骨代謝の変化を細胞レベルで検討してきた.またIL-1に代表されるサイトカイン刺激による軟骨細胞の変性には,活性酸素やNOといったガスメディエーターが重要な役割を果たすことを報告した.しかしながら,機械的ストレスとガスメディエーターの関連についてはこれまでに報告がない.そこで本研究では機械的ストレスとガスメディエーター,とりわけ活性酸素との関係を明らかにすることを第1の目的とする.また高分子ヒアルロン酸の関節内注入療法が変形性関節症に有効であることが臨床的に知られている.その作用機序についてはこれまで不明であったが,福田はヒアルロン酸が軟骨細胞の産生する活性酸素を中和する作用のあることを報告した.一般に変形性関節症における関節液のヒアルロン酸の分子サイズは低下しており,この点より高分子ヒアルロン酸の軟骨保護作用が働いていることも想像される.このような背景のもと,機械的ストレスによって軟骨細胞より誘導される活性酸素がヒアルロン酸の分子サイズに及ぼす影響を検討することを本研究の第2の目的とした. 平成16年度は,FX-3000を導入し,間接軟骨細胞に周期的牽引負荷をくわえた.これによる基礎的代謝の変化を検討した.軟骨細胞に対する牽引負荷により,プロテオグリカン合成能は低下し,活性酸素の産生が増加するという結果を得た.当初の目的としたヒアルロン酸の低分子化を示唆する結果も得られており,本研究は順調に進捗していると思われる.
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Research Products
(6 results)