2004 Fiscal Year Annual Research Report
疼痛下におけるモルヒネ依存不形成に及ぼす脊髄・脳内プロテインキナーゼCの役割
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16591530
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山崎 光章 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (70158145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 利佳 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (10345572)
成田 年 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (40318613)
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Keywords | Chronic_pain / nerve injury / spinal cord / protein kinase C / phorbol 12,13-dibutyrate / morphine dependence / neuropathic pain / conditioned place preference |
Research Abstract |
モルヒネによる報酬効果が神経因性疼痛の際に減弱し、この機序にprotein kinase C(PKC)が強く関与していることが推定されている。今回、この点に注目し、以下の様な検討を行い結果を得た。 1)PKCの活性薬であるphorbol 12,13-dibutyrate(PDBu)をマウス髄腔内に注入し、hyperalgesiaおよびconditioned place preference(CPP)がどうなるか検討した。その結果、PDBuはhyperalgesiaを増強した。またCPPはPDBuによって消失した。これらの作用は、PKCの阻害薬であるRO-32-0432の投与によって元のように回復した。これらのことより、慢性痛に見られるhyperalgesiaを惹起する脊髄におけるPKCの活性化が、モルヒネによる報酬効果の減弱に関与していることが推定された。 2)マウス座骨神経結紮モデルを用い、免疫組織化学的な検討を行ったところ、conventional PKCおよびPKCζが脊髄腔内に増加し、これらが座骨神経結節モデルのモルヒネによる報酬効果減弱作用に関与していることが推定された。 3)2)と同様のモデルで、髄腔内にPKCの阻害薬(RO-32-0432)を投与したところ、モルヒネによる報酬効果減弱作用が消失した。 4)PDBuをマウス髄腔内に注入し、行動ならびに脳内c-fos様免疫組織反応を検討した。その結果、parafascicular nuclei(PF)、amygdala、cingulated cortex(CG)においてはc-fos様反応が増大したが、hippocampusでは認められなかった。これらより、脊髄におけるPKC活性化が、hyperalgesiaに関係する脳内PF,amygdara,CGの神経活動の活性化と関係することが推定された。
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