2004 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞および神経細胞における麻薬刺激による遺伝子発現プロファイルの変化
Project/Area Number |
16591534
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
正田 丈裕 京都大学, 医学研究科, 助手 (60335263)
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Keywords | 麻薬 / 神経細胞 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
麻薬の耐性・依存性あるいは麻薬を休止した際の退薬兆候は、麻薬の長期投与、反復投与によって引き起こされる神経ネットワークの適応現象であると考えられているが、そこに遺伝子発現の変化が関連しているという報告がある。この研究の目的は、オピオイド受容体を内因性に発現している培養細胞(SH-SY5Y)という最も単純な系を使用し、μオピオイド受容体をモルヒネ等の麻薬により刺激することによって遺伝子発現の変化が引き起こされる分子を同定し、さらにそのメカニズムを明らかにすることである。 SH-SY5Yを培養し、レチノイン酸によって5日間刺激し分化させた。μオピオイドアゴニストであるモルヒネ10μMでSH-SY5Yを6時間刺激した。刺激前後の細胞からそれぞれtotal RNAを抽出し、逆転写酵素を用いてfirst-strand cDNAを合成、さらにSMART PCR法を用いてdouble-strand cDNAライブラリーを作製した。制限酵素RsaIで切断後、刺激前後の2種類のcDNA間でサブトラクションPCR法を行い、モルヒネ刺激によって細胞内で増減する遺伝子の候補を網羅的に取り出した。それぞれを特殊なベクターに組み込んだ後、大腸菌にトランスフォーメーションし、マスタープレートを作製するところまで計画は進行している。今後は、Dot-blot解析により目的遺伝子候補の絞込みをし、シークエンスおよびBlast解析によってモルヒネによって増減する遺伝子を決定し、さらにノーザンブロット解析あるいは定量的PCRによって確認する予定である。
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