2004 Fiscal Year Annual Research Report
急性肺傷害に対するRNA干渉(RNAi)を応用した分子生物学的治療法の開発
Project/Area Number |
16591537
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三川 勝也 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40229662)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁科 かほる 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20311780)
森川 修 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (50335436)
|
Keywords | RNA干渉 / トランスフェクション / 肺胞上皮細胞 / マクロファージ / 肺傷害 / サイトカイン / siRNA / ノックダウン |
Research Abstract |
RNA干渉(RNAi)による急性肺傷害(ARDS)に対する治療戦略の実験的検討を目的に、初年度はヒトA549細胞(2型肺胞上皮細胞)にIL-8(ヒト)遺伝子に対する合成siRNA(small interference RNA)を高率に形質導入できるかどうかを検討した。21塩基から成るIL-8のsiRNA(ロダミン標識)をマイクロインジェクション法を用いてトランスフェクションを試みたが導入効率は著しく低く以後の実験に供することができなかった。そこで、HVJ envelope vector(非ウィルス性ベクター)を用いてトランスフェクションを行なったが、現段階ではこれも導入効率は不良で、かなりのばらつきがありトランスフェクションの方法を改善する必要があるものと考えられた。また、エンドトキシン刺激によってRNAi効果を検討したが、IL-8タンパクの産生は全く抑えられていなかった。この原因として導入効率の問題か、またはsiRNAの配列が悪いのかを決定することはできなかった。ラットの肺胞上皮細胞についてはGRO/CINC-1(ラット)のsiRNAを合成し、A549と同様にマイクロインジェクション法とHVJ envelope vector法を用いてトランスフェクションを試みたが、導入効率は低くLPS/TNF-alpha刺激によるGRO/CINC-1の分泌は抑制されておらず、このシステムを以後の実験に供することはできなかった。
|