2004 Fiscal Year Annual Research Report
熱ショックタンパク誘導による急性肺傷害の治療に関する研究
Project/Area Number |
16591538
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
石部 裕一 国立大学法人 鳥取大学, 医学部, 教授 (40122014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 直人 国立大学法人 鳥取大学, 医学部, 助手 (30032204)
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Keywords | LPS / Lung injury / HSP70 / Geranyl-geranyl acetone(GGA) |
Research Abstract |
Heat shock protein(HSP)はストレス環境下で細胞保護作用を持つことが知られている内因性タンパク質である。最近、抗潰瘍薬セルベックス^<TM>として知られているGeranyl-geranylacetone(GGA)が、経口投与で胃粘膜、小腸粘膜、心臓にHSP70を誘導することが明らかにされている(Ooie ; Circulation2001)。そこで、今回ラット敗血症モデルを用いてGGAの臓器保護効果と生存率への影響を検討した。 【実験方法】 雄性Sprague-Dawleyラット(体重250-300g)を用いた。 GGA(100,200,400mg/kg)をLPS(20mg/kg)腹腔内投与4,8,16,24hr前に経口投与し(G4,G8,G16,G24)、LPS単独投与群と比較した。測定項目は、生存率、臓器(心臓、肝臓、腎臓)のHSP70の発現および血漿ALT,AST活性である。 【結果】 1.24時間後の生存率は、対象およびG4,G24で30%であったのに対し、G8,G16で100%と著明に改善した。 2.GGA前投与により、LPS投与6時間後の肝酵素逸脱が有意に抑制された。 3.心臓、腎臓に、HSP70の有意な発現増加がみら、GGAによるHSP70誘導が示唆された。なお、肺臓におけるHSP70発現は証明されなかった。 【中間まとめ】 GGAはHSP70を誘導し、LPS臓器障害を予防する可能性が示唆された。しかし肺傷害予防効果については、投与量や投与タイミングなどに更なる検討が必要である。
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