2004 Fiscal Year Annual Research Report
各種細胞増殖因子および神経幹細胞移植による脳および脊髄虚血障害の修復・改善
Project/Area Number |
16591552
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
宮田 裕史 琉球大学, 医学部, 助手 (60315471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渕上 竜也 琉球大学, 医学部, 助手 (10381211)
須加原 一博 琉球大学, 医学部, 教授 (20171126)
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Keywords | 脊髄虚血傷害 / 創傷治癒 / サイトカイン / 神経成長因子 / 細胞増殖因子 / アポトーシス / GDNF / 骨髄幹細胞 |
Research Abstract |
1.骨髄幹細胞からのlung stem cellsの分離と病変修復への応用-GFPラットに5-FUを投与して、骨髄細胞を採取・培養。血球成分を除いた骨髄幹細胞をラットに静脈投与し、肺胞への生着度を検索。ブレオマイシン肺傷害への生着度と比較検討し、傷害肺への生着が高いことがわかった。さらに、SP-A抗体による染色を行うと、血管から肺組織へ遊走した骨髄細胞の中に、SP-A抗体に染色される細胞があり、肺胞II型上皮細胞に分化していると考えられた。現在これらがKGFに反応するか検索中。反応する場合は、病変修復作用があるか検索を計画している。特に、培養細胞を気管内投与し、骨髄細胞を血管内投与することで、修復促進できるものと期待される。5.KGFなどの細胞増殖因子の組織修復機能の解明-この研究の一つとして、一過性脳・脊髄虚血障害に予防効果があるか検索し、KGFmRNAは、脳組織の皮質、海馬や扁桃核に強く発現していた。KGFを脳脊髄液中に持続投与することで、一過性脳虚血障害による海馬CA1領域の遅発性神経細胞死を抑制した。脊髄虚血への効果については、現在検索中である。2.脊髄虚血における神経成長因子GDNFの神経保護効果-脊髄虚血後、GDNF濃度は、2時間後に増加し、その後24時間後に前値に復し、72時間後に再び増加し、2相性に変化する。これは、GDNFが生理的に抗虚血作用を担っている可能性を示唆する。現在その機序解明に関する研究を進める予定である。3.エチルピルビン酸による酸化ストレススカベンジャーの脊髄虚血障害への効果-脊髄虚血障害に対してエチルピルビン酸投与は、ラットの運動障害を抑制した。しかしアポトーシスの抑制は明らかではなかった。現在神経成長因子GDNFの遺伝子発現動態などの新たな検索を進め、障害抑制機序の検索を展開する予定である。4.脊髄虚血障害に対する骨髄幹細胞移植効果-一過性脊髄虚血障害ラットに骨髄幹細胞を静脈注入し、その障害の程度を比較検討した。現在アポトーシスや運動障害改善の有無を検索している。5.先天性横隔膜ヘルニア(CDH)の肺低形成に対する細胞増殖因子の肺形成促進-細胞増殖因子の障害修復作用検索の一つとして、薬剤誘発CDHにvitamin Aを投与し、CDHの発生頻度と肺成熟度を検索し、発生頻度は低下したが、肺形成は抑制され、CDHの発生頻度と肺成熟度には関連はなかったが、その機序解明を進めている。
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Research Products
(5 results)