2006 Fiscal Year Annual Research Report
大脳基底核におけるシナプス可塑性と虚血耐性に対する吸入麻酔薬の影響に関する研究
Project/Area Number |
16591563
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
西村 欣也 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80164581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蕨 謙吾 順天堂大学, 医学部, 講師 (30311989)
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Keywords | 吸入麻酔薬 / GABA受容体 / 発火パターン / bicuculline |
Research Abstract |
吸入麻酔薬は,日常の麻酔臨床において臨床応用されているものの,その作用機序は未だ解明されていない.今回我々はPatch-clamp法を用いた神経細胞の静止膜電位変化およびそれぞれの神経細胞のもつ発火パターンの変化様式により吸入麻酔薬が脳内神経伝達経路にあたえる影響を検討した.方法として,マウスに対して脳スライス標本を作成し,人工脳脊髄液(細胞外液)を還流しながら顕微鏡下に線条体の投射ニューロンであるMS(medium spiny)ニューロンに対してwhole-cell patch clampを行った.その後current clampモードによりその静止膜電位(RP)およびMSニューロンの発火を観察した。10〜15分間incubateしたのち人工脳脊髄液(細胞外液)に吸入麻酔薬(セボルフランおよびイソフルラン:2MAC)を添付を行い,経時的に発火パターンの変化を観察した.その結果,吸入麻酔薬(セボフルランおよびイソフルラン:2MAC)の添加15分後より発火パターンに変化が観察された.すなわち等間隔に発火していた様相に対して,吸入麻酔薬添付により変化が生じ,等間隔が損なわれ,バラバラに発火した.さらにGABA受容体の拮抗薬bicuculline(BMI):30μMの処理によってもこの『乱れ』は生じた.その後,吸入麻酔薬の添付を止めると,やはり15〜20分後には『乱れ』は消失し,吸入麻酔薬のもつ可逆性が示された. このように吸入麻酔薬負荷によりMSニューロンに変化を与え,吸入麻酔薬の可逆性を呈することから,吸入麻酔薬の脳内神経伝達の影響が示唆された.加えて,BMI処理により変化ないことからGABA受容体を介さない伝達経路に影響することも示唆された.
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Research Products
(3 results)