2005 Fiscal Year Annual Research Report
喫煙者・慢性閉塞性肺疾患に対する至適麻酔法の検討-周術期予後を改善させるために
Project/Area Number |
16591569
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
輪島 善一郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (50291729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 哲夫 日本医科大学, 医学部, 教授 (00103953)
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Keywords | カルペリチド / 気道抵抗 / コンプライアンス / 麻酔 |
Research Abstract |
先ず、前年に続き、同様の研究を継続し、サンプル数の増加を図った。 我々はすでに、ヒトにおける新しい気道収縮モデルを作成し、また、colforsin daropate、nicorandil、alprostadilなどが強力な気管支拡張薬である事を発見した。Colfbrsin daropateをあらかじめ投与しておくと、麻酔導入、気管内挿管後の気管支の収縮を抑制し得る事も発見した。今回、carperitide(遺伝子組み換え-α型ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド)に関しても同様の検討を行った。 あらかじめ、1秒率、肺活量などの呼吸機能検査を行った。対照群と薬剤群にat randomに分けた。対照群には生食を投与し、carperitide群には、0.2μg/kg/minを投与した。生食あるいは薬剤は研究が終わるまで投与した。投与開始後30分に、5mg/kgのチアミラール、5μg/kgのフェンタニル、0.3mg/kgのベクロニウムにて、麻酔導入、気管内挿管を行った。その後、チアミラルの持続投与(15mg/kg/hr)を行った。気管挿管後、4、8、12、16分後に、平均気道抵抗(Rawm)、呼気気道抵抗(Rawe)、動的コンプライアンス(Cdyn)を測定した。 新しく得られた結果として、気管挿管前に、気管支拡張作用のあるcarperitideの静脈内投与による前処置が、喫煙者のみならず、非喫煙者においても気管挿管後の気道抵抗をより下げることが明かとなった。また、コンプライアンスより気道抵抗の方が鋭敏であることが明らかになった。 現在、非喫煙者、喫煙者、COPD患者を対象として気管支拡張剤を投与した場合の、周術期予後さらに中・長期予後を検討している。
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