2006 Fiscal Year Annual Research Report
喫煙者・慢性閉塞性肺疾患に対する至適麻酔法の検討-周術期予後を改善させるために
Project/Area Number |
16591569
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
輪嶋 善一郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (50291729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 哲夫 日本医科大学, 医学部, 教授 (00103953)
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Keywords | 気管支拡張剤 / 気道抵抗 / コンプライアンス / 周術期 |
Research Abstract |
前年に続き、非喫煙者、喫煙者、COPD患者を対象として気管支拡張剤を投与した場合の、周術期予後さらに中・長期予後を検討した。 術前より気管支拡張剤を投与した場合、喫煙者のみならず、非喫煙者においても気管挿管直後の気道抵抗を有意に低下させる事が明らかになった。また、肺コンプライアンスより気道抵抗の方が鋭敏な指標と考えられた。COPD患者は、サンプル数が充分でなく、明らかな結論を導き出すことは出来なかった。 術後は、気管支拡張剤を使用した方が喀痰を出しやすく、血液ガスが良好な傾向が見られた。中・長期予後に関しては、患者背景(術式など)にばらつきが多く、また、サンプル数が充分ではなく、エビデンスとして結論づけることは早計と考えられたが、気管支拡張剤投与により不具合が生じることはなく、積極的に周術期に使用すべき薬剤の一つと考えられた。 また、気管支拡張剤の種類についての検討も必ずしも充分とは言えず(麻酔下では、colforsin daropateやcarperitideが有利であると思われた)、今後の検討課題として残った。また、投与量に関しても充分な検索を行えず、今後の検討課題である。 将来的展望としては、サンプル数を増やすことにより、周術期の気管支拡張剤使用についてのガイドラインの作成が上げられる。標準化を行うことにより、多忙な医師にとっては有利をもたらし、患者にもメリットをもたらし、また、医療費削減をも可能にすることが出来る可能性が高いと考えられた。
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