2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスタミン感受性ニューロンの機械的、化学的、熱刺激に対する応答とそれらの受容体
Project/Area Number |
16591573
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Research Institution | Kansai College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
樫葉 均 関西鍼灸大学, 鍼灸学部, 助教授 (10185754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 稔 関西鍼灸大学, 鍼灸学部, 助手 (20342230)
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Keywords | ヒスタミン / H1受容体 / 感覚神経 / サブスタンスP / TRPV1 / P2X3 / 免疫組織化学 / RT-PCR |
Research Abstract |
ヒスタミンは痛みと痒みの両者を誘導する特異的な生理活性物質であり、これらの作用は一次感覚ニューロンに発現するヒスタミンH1受容体を介すると考えられている。これまで、モルモットにおけるH1受容体mRNAを発現する一次感覚ニューロンは、無髄線維であること、サブスタンスPやCGRPを含有しないこと、カプサイシン感受性を示さないこと、等を報告してきた。しかしながら、これらの結果は今までに報告されている電気生理学的手法を用いたラットやヒトの報告と部分的に異なる。そこで今回、ラットにおけるH1受容体の発現について免疫組織化学法及びRT-PCR法を用いて検討した。ラット後根神経節(L5)の20-30%のニューロンがH1受容体に陽性を示し、これらはイソレクチンB4に親和性を示すことから無髄線維と考えられた。更に一次感覚ニューロンにおけるH1受容体と、侵害刺激の神経修飾物質であるサブスタンスP、カプサイシン受容体で侵害性熱受容器としても知られているTRPV1(Transient Receptor Potential channel Vanilloid subfamily 1)、及びATPの受容体でサブスタンスP作動性ニューロンとは異なる無髄求心性神経に発現しているP2X3(ionotropic purinereceptor subtype 3)との共存について検索した。その結果、H1受容体を発現するニューロンの約半分は、サブスタンスP、TRPV1、P2X3のいずれについても共存していることが分かった。また、RT-PCR法により、ラット後根神経節におけるH1受容体mRNAの発現量はGAPDHmRNA(コントロール)のそれよりも少ないが、モルモットではH1受容体mRNAの発現量の方が多いことが分かった。これらの結果から、一次感覚ニューロンにおけるH1受容体の発現パターンやmRNAの発現量は、ラットとモルモットで部分的に異なっていると考えられる。
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Research Products
(2 results)