2004 Fiscal Year Annual Research Report
機能的解剖を応用した勃起能、射精機能および膀胱機能温存の研究
Project/Area Number |
16591581
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
黒川 公平 群馬大学, 医学部, 講師 (50225281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 和浩 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80312891)
伊藤 一人 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00302472)
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Keywords | 機能解剖 / 勃起能 / 膀胱機能 / 骨盤内悪性腫瘍手術 / 温存評価 |
Research Abstract |
はじめに:従来の癌根治術に伴う神経温存では、手術時の神経温存が術後の機能回復と必ずしも結びつかないことが報告されている。この研究は、神経の温存の有無を"神経電気刺激のよる陰茎海綿体内圧の上昇あるいは膀胱内圧上昇"という客観的変化に基づいて判断することを特徴としている。 対象および方法:対象疾患は機能温存を希望する膀胱癌・前立腺癌、子宮癌および直腸癌で、文書による同意を得た。手術時の評価は膀胱神経・勃起神経が温存されたと判断されたところで、刺激電極を目標部位に置き、30秒間の刺激を行い、膀胱内圧および陰茎海綿体内圧を評価し温存の判定を行った。 結果および考察:現在までに58例がエントリーした。内訳は泌尿器科癌3例、男性直腸癌22例、女性直腸癌6例および子宮頚癌27例である。泌尿器科癌3例、男性直腸癌22例、女性直腸癌6例および子宮頚癌23例が試験を終了した(癌の進行、その他による除外5例)。術後経過観察および観察終了時の膀胱内圧所見から、膀胱機能、勃起能の術中判定が的確であったものは、75.5%(37/49)であった(除外5例)。電気生理的手法を駆使する事により、骨盤内癌手術における自律神経温存の有無が的確に判定可能であった。しかし、この結果が神経温存率の向上に全く結びっいていないことが問題である。膀胱機能温存症例では非神経温存症例においても腹圧排尿による自排尿が可能であったが、排尿のQOLが著しく低かった。この分野では、神経同定の改善を目指し、一本の電極で曖昧刺激と、厳密な刺激が可能な複合電極を試作し応用した。これを用いて、症例の集積を行っているが、温存状態は改善せず更なる改良が必要のようである。 最近、安価で簡便な刺激装置が、厚生労働省の認可を得たのでこの研究の更なる発展が見込まれる。
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Research Products
(4 results)