Research Abstract |
◆以前本研究者らは転移性前立腺癌の患者の予後予測因子として治療前血清テストステロン値の有用性について報告しているが,早期前立腺癌患者の手術所見(臓器限局性の有無)の予測にも治療前血清テストステロン値が有用であることを報告した(Imamoto et al., Eur.Urol.,2005)。 ◆また前立腺癌の発生予測因子として,ホルモン関連遺伝子群の解析を行い報告した(Fukatsu et al., Anticancer Res.,2004)。 ◆前立腺癌の画像診断においてcolor Doppler imagingが有用であることを報告した(Inahara, et al., Int.Urol.Nephrol.,2004)。 ◆早期前立腺癌の診断において,血清抗p53抗体値がPSAおよびそのパラメータを補完して有用であることを報告した(Suzuki, et al., J.Urol.,2004)。 ◆転移性前立腺癌患者における初回ホルモン療法抵抗性となった症例の約半数において,二次ホルモン療法としてのアンチアンドロゲン交替療法が有用であることを報告した。またアンチアンドロゲン交替療法の有効例と無効例の背景因子の比較検討により,初回ホルモン療法の有効性がひとつの指標となる可能性が示された。 ◆前立腺癌の進行・転移に関わる染色体異常として第2染色体の欠失について病期ごとに検索してその臨床的意義を検討するとともに,染色体の欠失地図の作成(deletion mapping)を行い,同部位に存在する癌抑制遺伝子のクローニングにむけての作業を行った(Ueda, et al., Prostate, inpress)。 ◆以上のほか,前立腺癌の進行・転移に関与する遺伝子・蛋白質について,cDNA microarreyおよびproteomics解析を進行中であり,今後さらに前立腺癌のホルモン依存性喪失の分子機構の解明を継続していく作業中である。
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