2004 Fiscal Year Annual Research Report
自律神経再生機序の解明-海綿体神経機能再生の実験的検討-
Project/Area Number |
16591605
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 直樹 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (60193504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 敦 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20274946)
塚本 泰司 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50112454)
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Keywords | 神経再生 / 海綿体神経 / 勃起障害 / 神経損傷 / 神経栄養因子 / Neurturin / GFRa2 |
Research Abstract |
1.片側、両側海綿体神経切断モデルにおける遺伝子発現の検討 これまでのところ、片側海綿体神経切断モデルにおいては健常側の骨盤神経節細胞で神経可塑性変化が起こっており、神経栄養因子であるneurturinの受容体であるGFRa2の発現が亢進しているのが確認された。また、GFRa2がnNOS陽性神経細胞に特異的に発現するか否かの検討が必要である。 2.加齢モデルにおける神経再生に関与すると思われる遺伝子発現の変化の検討 ラットを用いたこれまでの検討では、骨盤神経節においてneurturin、GFRa2(neurturin受容体)共に加齢で発現が低下することが示された。自律神経全般の加齢による機能変化については未だ明らかではないが、損傷後の海綿体神経の機能回復は加齢によって低下することが知られている。今回の結果から、加齢に伴った神経再生、機能回復の低下は陰茎海綿体における神経栄養因子neurturinの産生低下により起こる可能性が示唆された。今後、これらを補完する方法を開発する必要があるものと思われる。 3.両側海綿体神経切断モデルにおける神経再生誘導管の開発 我々は動物実験上、生体吸収性素材である共重合体ポリマーとコラーゲンスポンジを使用した神経再生誘導管による海綿体神経再生の実験に成功した。組織学的に誘導管内に陰茎海綿体を支配するnNOS陽性の神経線維を確認するとともに、Fluorogoldを用いた神経トレース実験でも海綿体平滑筋と骨盤神経細胞の接続を確認できた。また、勃起中枢である内側視索前野の電気刺激により勃起を確認し機能的な回復も認めた。
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Research Products
(2 results)