2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591607
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高橋 敦 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20274946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 直樹 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (60193504)
小林 皇 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30404669)
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Keywords | 男性更年期障害 / 高齢化社会 / AMS rating scale / Testosterone / 遊離testosterone / Bioavailable testosterone |
Research Abstract |
昨年度に引き続きさらに検討対象例を206例まで増やした。年齢は20歳から77歳、中央値54歳である。 男性更年期障害の自覚症状をHeinemannらによるAging Male Symptoms rating scale(AMS score)を用いて評価した。血中総testosterone(総T)、遊離testosterone(遊離T)、albumin、sex hormone-binding globulin(SHBG)を測定し、calculated bioavailable testosterone(CBT)を算出した。本研究は札幌医科大学倫理委員会の承認を得、参加者から文書による同意を得て行われた。 AMS scoreから男性更年期障害の症状を有したのは50歳代:30.4%、60歳代:46.5%であった。AMS scoreと最もよく相関したTは遊離Tで、相関係数は-0.236であった(p<0.001)。AMS scoreの各domainと遊離Tの関係では、精神・心理:-0.129、身体:-0.181(p<0.01)、性機能:-0.351(p<0.001)という結果で、身体症状と性機能症状が遊離Tと有意な負の相関を示した。20歳代男性における遊離Tのmean-2SD値である8.5pg/mlを正常下限値と考え、AMS scoreから男性更年期障害と判定され、かつ遊離T低下例は50歳代で13.0%、60歳代で25.6%、70歳代で26.6%にそれぞれ存在した。 以上の結果より、中高年男性において男性ホルモンが低下し男性更年期症状を有するものが少なからず存在することが明らかとなった。今後の高齢化社会において、高齢者のquality of life向上に繋がる有益な情報が本研究から得られたと考えられた。
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