2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゴナドトロピン受容体(FSH-R、LH-R)変異とその臨床的意義に関する研究
Project/Area Number |
16591638
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
篠崎 博光 群馬大学, 医学部, 講師 (30334139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯岸 敬 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00209842)
安部 由美子 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70261857)
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Keywords | ゴナドトロビン / 受容体 / PCO / OHSS / 変異受容体 |
Research Abstract |
最近FSH受容体の変異体により、spontaneous OHSSを起こすことが明らかとなり、変異FSH受容体がhCG/LHとの反応性を獲得したことによりOHSSが発症するメカニズムが明らかとなってきている。フランスのRodienらにより第3膜貫通部位のThr449Ileの変異FSH受容体(N.Engl.J.Med.349:753-9,2003)が原因部位である症例を報告している。またVassartらは第3細胞内ループのAsp567AsnがOHSSの原因である症例を報告している(N.Engl.J.Med.349:760-6,2003)。これらの2つの報告によると、FSH受容体の変異部位は一定でないことが明らかとなった。すなわち、FSH受容体のどの部分がOHSS発症に関与しているか明らかでない。現在、不妊外来受診中の患者さんの血球よりDNAを抽出し、FSH受容体の10番目のシークエンス解析を行っているが、以前に報告されているような変異は発見されていない。今後もFSH刺激に対して、反応性の特に良かった症例のFSH受容体の解析を続ける予定である。さらに、FSH作用のみで、排卵が生じるかについても意見が異なっているので、LH作用の特異性を知るためにもFSH受容体とLH受容体の構造上の共通性と特異性を明らかとする必要がある。特に、FSH、LH共にセカンドメッセンジャーがcAMPと報告されているので、FSH、LH作用の特異性、特にLH作用の排卵、卵成熟における細胞内伝達系を明らかとするため、FSH受容体とLH受容体のキメラを作製し、FSH作用の特異的部位を明らかとする予定である。
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