2004 Fiscal Year Annual Research Report
新たな卵巣内局所調節因子の発見と、黄体機能不全の病態の解明
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16591640
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 和人 群馬大学, 医学系研究科, 講師 (60332558)
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Keywords | splice variant / betaglycan / サブトラクションクローニング |
Research Abstract |
インフォームドコンセントで得られた、婦人科疾患により摘出された卵巣組織からRNAを抽出し、定量的RT-PCRを行って、ヒトLHレセプター(hLHR)と9番目のexonを欠いたsplicevariantレセプター[hLHR(exon 9)]の発現量を測定した。その結果によると、hLHR(exon 9)は、排卵後その発現量は増加していき、黄体期の中期、特に後期になるとhLHRの発現量より割合的には60%以上まで増加することが明らかになった。我々は既に、293cell内においてhLHR(exon 9)の発現により、hLHRの機能が抑制されることを見いだしており、hLHR(exon 9)が黄体の退縮に関与している可能性を示すものと考えている。ただし、実際にhLHR(exon 9)のレセプター蛋白が実際の卵巣内に発現しているかどうかについては、現時点では証明できていない。新たな卵巣内の局所調節因子についてであるが、PMSG-hCGをラットに注射してhCG投与後6時間後にラットより卵巣を摘出し、hCGを注射していない卵巣とのサブトラクションクローニングを行った。これまでのところ、既に報告のあったepiregulin、GIOT IIなどが見つかっているが、新たな局所調節因子となりうるような遺伝子についてはクローニングできていない。 TGF β type IIIレセプターとして、当初報告されたbetaglycan(BG)が、inhibin Aと協力してactivinのactivinレセプターへの結合を阻害することが報告された。それを受けてラット卵巣内でのBGの発現について検討を行った。その結果、BGの発現にはエストロゲンとFSHの作用が重要であることを明らかにすることができた。
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