2005 Fiscal Year Annual Research Report
炎症と周産期疾患(早産,妊娠中毒症)-その病態解明ならびに新たな治療戦略の検討-
Project/Area Number |
16591648
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
酒井 正利 富山大学, 附属病院, 助教授 (90242502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 泰 富山大学, 附属病院, 助手 (60324050)
塩崎 有宏 富山大学, 附属病院, 助手 (00235491)
斎藤 滋 富山大学, 医学部, 教授 (30175351)
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Keywords | 炎症 / サイトカイン / 早産 / 妊娠中毒症 / 妊娠高血圧症候群 / 細菌性膣症 / 子宮頸管長 |
Research Abstract |
1、いかなる腔内細菌が頚管炎を引き起こすかについての検討 妊娠20週から24週までの妊婦501例を対象とした検討で,膣分泌物中にラクトバチルス属が検出されない症例で頚管中のIL-8濃度が高値であることが判明した。これまで細菌性膣症は早産のリスク因子であることは分かっていたが、今回の検討で細菌性膣症だけでは有意な早産危険因子とはなり得ず,炎症を伴う細菌性膣症が早産のリスク因子として重要であることが判明した。 2、簡便な早産予知マーカーの開発 申請者は頚管中IL-8値が早産マーカーとして有効であることを報告してきた。そこで,頚管中のIL-8値と相関する,より簡便で安価なマーカーを見い出す必要性がでてきた。頚管粘液タッチスメアーによる顆粒球数はIL-8値と有意な性の相関を示した。また,ROC曲線から顆粒球数,IL-8値の早産予知マーカーとしてのカットオフ値をそれぞれ120個/視野,400ng/mLに設定し早産予知能につき検討したところ,顆粒球数はIL-8値と同等の早産予知能を有することを明らかにした。 3、頚管長短縮例に対する治療法の確立 申請者らはこれまで一万例以上に妊娠中期での頚管長測定を行ってきた。その結果、日本人の妊娠24週での頚管長の平均は38.0mmと米国婦人より約3mm長いこと、頚管長25mm以下では早産率が約19倍になることを明らかにした。また頚管長短縮例でも頚管中IL-8値が高値の症例では早産率が高く、頚管縫縮術を行うとむしろ早産率を増加させることを報告した。 4、炎症からみた妊娠高血圧症候群の予知,予防ならびに治療 申請者らは妊娠高血圧症候群の血清中Granulysin値がTh1/Th2と極めて相関することを証明した。
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Research Products
(2 results)