2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復遺伝子のメチル化解析による婦人科癌早期診断への応用
Project/Area Number |
16591649
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
金谷 太郎 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (30303308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京 哲 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (50272969)
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Keywords | Endometrial cancer / DNA hypermethylation / Cancer screening |
Research Abstract |
本研究の目的は、各種婦人科癌において細胞・組織診の補完となり得る遺伝子マーカーを検索し、早期診断に応用することである。我々はこれまでの研究にて、子宮体癌および正常子宮内膜におけるMLH1プロモーターのメチル化頻度、遺伝子不安定性の解析を行ってきた。平成16年度においては子宮体癌および前癌病変における解析を進め、以下の成果を得た。 1.子宮内膜増殖症における解析 子宮体癌の前癌病変である子宮内膜増殖症の解析には、組織学的に厳密に区別された領域のみを抽出するLaser capture microdissection(LCM)を用いる必要があった。我々は病理用パラフィン切片から得られたごく微量の組織片からDNAを抽出、メチル化および遺伝子不安定性、各種遺伝子変異の解析を行うことに成功した。 2.メチル化解析法の改良 従来のメチル化解析法であるMSPやBisulfite sequencingに加えて、PCRによる増幅領域を限定し、制限酵素反応を組み合わせたCOBRA法、MSRE-PCR法を導入することによってLCM由来のごく微量の検体でのメチル化解析が可能となった。 3.各種遺伝子のmutation解析 子宮内膜増殖症でのPTEN mutationの解析を進めた結果、すでにMLH1プロモーターがメチル化されている増殖症領域でもPTEN mutationの発生頻度は低いが、正常子宮内膜に比べるとframeshift mutationの頻度は高く、組織学的変化よりも先にMLH1プロモーターのメチル化がDNA修復遺伝子の機能不全を引き起こし、下流にある癌抑制遺伝子PTENに影響を及ぼしていることを確認した。これらのMLH1のメチル化やPTEN変異の解析は、病理診断と組み合わせて早期診断に応用することが十分に可能であると思われた。
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Research Products
(4 results)