2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト精子の卵活性化因子PLCzetaの合成とその臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
16591652
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
星 和彦 山梨大学, 医学部附属病院, 教授 (20111289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 修司 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (00228785)
笠井 剛 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (20194699)
正田 朋子 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (50345716)
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Keywords | 卵細胞活性化因子 / リコンビナントタンパク / カルシウムオシレーション / 真核細胞 / アイソフォーム / 男性不妊 / 遺伝子導入 / タンパク発現 |
Research Abstract |
受精の過程における「卵細胞の活性化」機構の解明は受精現象を理解する上で極めて重要である。哺乳類の受精卵では律動的な細胞内Caイオンの律動的な上昇(Ca oscillation)が「卵細胞の活性化」の引き金になっていることが推定されているが、現在のところ、精子においてどのような情報伝達経路によりCa遊離チャンネルが活性化し、また、引き起こされたCa oscillationがどのような機構により卵細胞を活性化するかについてはいまだ未解明な点が多い。現在のところ、精子の「受精」というシグナルが卵細胞内に伝達される経路として、(1)精子がCa^<2+>の導管となって細胞外のCa^<2+>が流入するという説、(2)卵細胞表面の精子受容体を介するという説、(2)精子細胞質内の「卵細胞活性化因子(sperm factor)」によるものとする説、の三つの説が提唱されてきたが、近年、卵細胞質内精子注入法(ICSI)により卵細胞が活性化するという事実から、精子細胞質内にsperm factorが存在していることは確実である。このsperm factorついての研究が世界的に進められ、2002年に初めて同定された精子に特異的に発現するphosholipase C(PLC)のアイソフォームであるPLC zeta(PLCζ)は、そのcRNAやリコンビナントタンパクをマウス卵に注入するとCa^<2+> oscillationが誘起されることから、sperm factorの本態である可能性が極めて強いものと考えられている。ヒトPLCζは、EF handsドメイン、PLCcドメインならびにC2ドメインの3つのドメインから構成されるが、現在のところこのドメインとCa^<2+> oscillationを惹起する活性(oscillogen活性)との関連は未解明である。申請者らは、ヒトPLCζのcDNAクローニングを施行し、まず、PLCcドメイン領域のcDNAを発現ベクターに組み込み、大腸菌を用いてヒトPLCζのPLCcドメインのリコンビナントタンパクを合成し、未受精卵細胞にマイクロインジェクションし、そのoscillogen活性を解析した。その結果、Ca oscillationが観察された。また、すでに真核細胞発現系を確立した。その系を用いて、クローニングされているPLC全長のcDNAを組み込んだ発現ベクターを用いてリコンビナントタンパクを作出し、臨床的応用を展望してその生理的解析を行っている。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] 当科における1day old ICSIの検討2005
Author(s)
笠井 剛, 藤江道子, エンフマダバサンブー, 鈴木真梨子, 鈴木孝太, 島 崇, 島津由加里, 和田麻美子, 三宅麻喜, 正田朋子, 永井聖一郎, 平田修司, 星 和彦
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Journal Title
日本受精着床学会雑誌 2(1)
Pages: 158-162
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[Journal Article] Receiver operating curve(ROC曲線)を用いた、精子運動の各パラメータ成績が人工授精後の妊娠および体外受精後の受精に与える影響の検討2005
Author(s)
鈴木孝太, 笠井 剛, 藤江道子, エンフマダバサンブー, 鈴木真梨子, 島 崇, 島津由加里, 和田麻美子, 三宅麻喜, 正田朋子, 永井聖一郎, 平田修司, 星 和彦
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Journal Title
日本受精着床学会雑誌 22(1)
Pages: 96-100
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