2005 Fiscal Year Annual Research Report
膜結合型プロテアーゼをターゲットにした新しい癌治療法開発の基礎的・臨床的研究
Project/Area Number |
16591654
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉川 史隆 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40224985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井箟 一彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60303640)
柴田 清住 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (90335026)
梶山 広明 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助手 (00345886)
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Keywords | APN / CD13 / IRAP / APA / ATIR / 卵巣癌 / 子宮体癌 / 予後 / 転移・浸潤 |
Research Abstract |
1:APA/CD13をターゲットとした卵巣癌マウス腹膜播種モデルでの治療効果 高CD13発現卵巣癌細胞株をマウスの腹腔内に投与すると効率に癌性腹膜炎を引き起こすが、serous typeであるSKIOV-3細胞を用いた癌性腹膜炎モデルマウスにCD13の阻害剤であるBestatin(【○!R】Ubenimex)を投与した場合、腹膜播種形成は減少し有意な予後の延長を認めた。また、clear cell typeであるES-2細胞を用いた癌性腹膜炎モデルではBestatin単独投与によっては予後の延長を認めなかったが抗癌剤であるpaclitaxelとの併用群でpaclitaxel単独投与群と比較して有意に予後の改善効果を認めた。(梶山、吉川) 2:子宮体癌におけるIRAPの糖取り込み上昇機構の解明 子宮体癌細胞におけるIRAPの増殖促進効果のメカニズムを検討においてIRAPがもともとGLUT4などの糖輸送蛋白と細胞内顆粒に共存することからIRAPの遺伝子導入によって糖のuptakeやインスリン感受性の変化の有無などについて検討した。RIラベルしたglucoseのuptakeをインスリンの存在、および非存在下で調べたところ、IRAP導入株ではmock群と比較して有意にインスリン存在下でglucoseのuptakeが上昇していた。(柴田) 3:卵巣癌におけるATIRの発現とその機能解析 APAの基質制御物質として血管新生物質として注目されているAngiotensin-IIが挙げられるが、卵巣癌手術検体においてAngiotensin-II type I receptor(ATIR)の発現を免疫組織染色にて検討し、予後との相関などを検討した。その結果、ATIR陽性群は非陰性群と比較して有意に予後不良であった。また、in vitroにおいてもAngiotensin-IIがATIRを介して増殖能、浸潤能、および運動能などに促進的影響を及ぼしているという結果を得た。(井箟)
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