2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591658
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西尾 幸浩 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30303952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 慶一 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50155058)
坂田 正博 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (10260639)
田原 正浩 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00294091)
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Keywords | 絨毛細胞 / 浸潤能 / インテグリン / EGF / PKC(protein kinase C) / CRE(cyclic AMP responsive element) / 転写制御 |
Research Abstract |
絨毛細胞の機能的分化の重要な指標として、細胞浸潤能の亢進があげられる。近年この浸潤能の亢進に特定のインテグリン分子が関与することが明らかとなってきた。本研究課題ではこれらのインテグリン発現の制御機構を解析しそのメカニズムに関する知見を追求している。 現在までに以下の研究を遂行し、それぞれに示す結果を得た。 1)上皮成長因子(以下EGF)によるヒトα5インテグリンプロモーターの機能的解析 ワシントン大学より供与された転写開始点より923bp上流域までを含むプロモーター領域をルシフェラーゼレポーター遺伝子に接続したプラスミドをBeWo細胞に導入、EGFによる活性化を確認している。また、この上流域を順次短縮した構築を用いた解析から、EGFに対する応答エレメントは転写開始点より約80bp上流に位置するCRE(Cyclic AMP responsive element)様配列であることが示唆された。この結果はさらに種々の細胞内シグナル伝達分子に対する特異的阻害剤を用い、PKC阻害剤がそのEGFによる活性化を抑制した実験結果からもなお一層信頼性の高い結果と考えられた。 2)Protein kinase C(PKC)によるヒトα5インテグリンプロモーターの活性化の機能的解析 1)で述べた結果から、PKC経路を介するシグナルがα5インテグリンプロモーターの制御に重要な役割をはたしていることが示唆された。そこで、PKC作動薬であるフォルスコリンによるα5インチグリンプロモーターの応答エレメントを1)と同様の手法をもって解析した。その結果、EGFと同じく転写開始点上流約80bpに存在するCRE様配列がその領域が含まれることが明らかとなった。 3)EGFによるα2インテグリン活性化のシグナル伝達経路の解析 昨年我々はEGFによるBeWo細胞でのα2インテグリンの活性化が細胞遊走能の亢進を介して最終的に浸潤能の亢進に寄与していることを報告した。この結果からα2インテグリンの増加を通して細胞遊走能、浸潤能を亢進するにいたる細胞内シグナル伝達経路を解析することを目的として実験を行った。EGFによって観察される遊走能、浸潤能の亢進は、いかなる細胞内シグナル伝達分子を用いているかを明らかにするため、各種キナーゼ特異的阻害薬によって阻害を受けるかを検討した。
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