2004 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインシグナル伝達分子を標的とする子宮内膜症治療開発に関する研究
Project/Area Number |
16591659
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
原田 省 国立大学法人 鳥取大学, 医学部, 講師 (40218649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺川 直樹 国立大学法人 鳥取大学, 医学部, 教授 (90163906)
岩部 富夫 国立大学法人 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (10284001)
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Keywords | 子宮内膜症 / interleukin-8 / tumor necrosis factor α / NF-κB / progesterone / danazol / dienogest |
Research Abstract |
子宮内膜症患者腹水中に高濃度存在するInterleikin-8(IL-8)とTumor necrosis factor α(TNFα)は内膜症由来の培養間質細胞の増殖を促進することを明らかにした.TNFαは子宮内膜症由来の間質細胞からのIL-8遺伝子の発現と蛋白産生を濃度ならびに時間依存性にup-regulateすること,この作用は転写因子であるNFκBを介することを明らかとした,本研究では,サイトカインシグナル伝達の主要分子であるNFκB発現を指標として,NFκB阻害剤や性ホルモン影響について内膜症細胞を用いて基礎的検討を行った. 子宮内膜症細胞にTNFαを添加すると,5分後にはI-κBのリン酸化が発現した.TNFα添加により活性化NFκBが誘導されることをEMSAにて示した.NFκB阻害剤であるTPCKを前投与するとTNFαによるIL-8産生誘導が抑制された.子宮内膜症間質細胞のIL-8産生に対するestradiol(E2),progesterone(P4), danazol(Da)およびプロゲステロン誘導体であるdienogest(Di)の影響について検討した.TNFα(0.1ng/ml)とE2(10^<-7>M)存在下に,P4(10^<-6>M),Da(10^<-6>M)またはDi(10^<-7>M)を添加して24時間培養した.子宮内膜症間質細胞におけるIL-8遺伝子および蛋白発現をNorthern blot法とELISAで,NF-κB活性をEMSAにて検索した.P4,DaおよびDiの添加は,TNFαとE2によって誘導されるNF-κBの活性化とIL-8遺伝子発現を減弱した.PR拮抗剤であるRU486の併用添加は,P4添加により減弱したNF-κBの活性化とIL-8遺伝子発現を中和した.P4,DaおよびDiの添加は,TNFαとE2によるIL-8蛋白産生を52%,60%および57%へと低下させた.本研究成績から,P4,DaおよびDiはNF-κB活性を減弱することで内膜症細胞の増殖を抑制する可能性が示唆された.
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Research Products
(5 results)