2004 Fiscal Year Annual Research Report
陣痛を制御するTRP・P2チャネルの分子生物学的解析と胎児神経細胞死解明への応用
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16591662
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三好 博史 広島大学, 病院, 助手 (40294590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 薫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10200586)
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Keywords | 周産期医学 / 子宮 / イオンチャンネル / ATP受容体 / P2チャンネル / マグネシウム / 早産治療 / P2X4 |
Research Abstract |
子宮収縮および陣痛周期を制御する機構として、従来から非選択性陽イオンチャンネル(non selective cation channel、NSCC)を妊娠ラット子宮平滑筋細胞において観察しその性質と役割を報告してきた。今年度はこれらのうちATP受容体の一種であるP2Xチャンネルの発現様式と優位に発現していたP2X4チャンネルの再発現実験を行い生理学・薬理学的性質について検討した。 子宮筋層より抽出作成したcDNAライブラリーにおいて、各P2XチャンネルサブタイプmRNAの発現をRT-PCR法により観察したところP2Xは7種類すべてのサブタイプの発現を認め、特にP2X4の優位な発現が観察された。子宮筋P2X4のクローニングを行ったところラット脳の報告と約99.9%の相同性を認めアミノ酸配列は同一であった。この遺伝子をCOS-7培養細胞発現系によりチャンネルを発現させ、パッチクランプ法でその電流を記録した。 P2X4を発現させた培養細胞において細胞外ATPで活性化される電流が観察された。これらの電流の性質は一価陽イオンの透過性順位などの電気生理学的性質のみならず、促進剤・阻害剤の反応などの薬理学的性質がともに子宮平滑筋細胞ATP受容体電流とよく一致していた。しかしながら、P2X4チャンネルはATPに対する脱感作現象が観察された。 以上より妊娠ラット子宮平滑筋におけるATP受容体のおもなチャンネル蛋白はP2X4であり、子宮収縮制御機構との関連あるいはマグネゾールの子宮収縮抑制機序のひとつであることが示唆された。
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Research Products
(4 results)