2005 Fiscal Year Annual Research Report
陣痛を制御するTRP・P2チャネルの分子生物学的解析と胎児神経細胞死解明への応用
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16591662
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三好 博史 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (40294590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 薫 広島大学, 大学院・医・歯薬学総合研究科, 助教授 (10200586)
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Keywords | 子宮平滑筋 / ATP受容体 / P2X受容体 / パッチクランプ法 / 周産期医学 / 早産 / チャンネル発現 / 子宮収縮 |
Research Abstract |
我々は子宮収縮の周期性に関与している非選択性陽イオンチャンネル(NSCC)について報告してきた。今回はそれらの電流とTRP・P2Xチャネルの子宮平滑筋における発現様式との関連を検討した。子宮平滑筋に優位に発現していたP2X4チャネルにおいてはクローニングし培養細胞発現系に再発現させて記録した電流と子宮平滑筋細胞のATP受容体電流とを比較検討した。 妊娠ラット子宮平滑筋細胞からは2種類のNSCC電流を記録した。そのうち細胞外ATPにより誘発される電流はP2Xチャンネルであることが推測された。細胞外Mg2+によりNSCCとATP受容体は早産治療濃度域において濃度依存性に抑制され、MgSO4(マグネゾール)の子宮収縮抑制機構のひとつである可能性が示唆されている。 妊娠ラット子宮筋にはTRPチャンネルのうちサブタイプC3,C4,C6の発現を認めた。また、P2X受容体ではX1,X4,X5の発現を認め、特にP2X4は強発現していた。ラット子宮平滑筋から抽出したP2X4チャンネルはラット脳の同チャンネルとアミノ酸配列が同一であった。培養細胞系に再発現したP2X4チャンネル電流は子宮平滑筋細胞で記録されたATP受容体電流と性質がよく一致しており、子宮におけるP2X受容体の主体はP2X4チャンネルであると考えられ子宮収縮抑制剤として臨床応用されつつあるマグネゾールの作用機転であることが示唆された。 同様の手法にて、胎児全脳におけるP2XおよびTRPの発現様式を検討した。現在は炎症モデルとの比較などへの応用を行っている。
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Research Products
(2 results)