2004 Fiscal Year Annual Research Report
着床期子宮内膜におけるサイトカインの発現とその役割についての研究
Project/Area Number |
16591672
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
奈須 家栄 大分大学, 医学部, 講師 (30274757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 教行 大分大学, 医学部, 助手 (50295185)
河野 康志 大分大学, 医学部, 助手 (40274758)
宮川 勇生 大分大学, 医学部, 教授 (70040607)
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Keywords | 子宮内膜 / サイトカイン / サイトカインネットワーク / ケモカイン / 着床 / 子宮内膜症 |
Research Abstract |
CC chemokineの1つであるthymus and activation-regulated chemokine (TARC)の子宮内膜における発現調節について、培養子宮内膜腺上皮細胞および子宮内膜間質細胞を用いて検討を行った。6-well plate上で培養子宮内膜腺上皮細胞および子宮内膜間質細胞を培養し、confluentとなったところで、種々の濃度のIL-2、IL-4、IL-5、IL-10、IL-12、IL-13、TNF-β、IFN-γを添加し、24時間後に培養上清を回収した。上清中のTARC濃度をELISA法を用いて測定した。 その結果、TARCは無刺激の子宮内膜腺上皮細胞において産生が認められた(10.1±0.3ng/ml)。IL-4とIL-13は子宮内膜上皮細胞のTARC産生を濃度依存性に増強した(IL-4100ng/ml添加で68.8±6.8ng/ml、IL-13100ng/ml添加で74.5±8.5ng/ml)。しかしIL-2、IL-5、IL-10、IL-12、TNF-β、IFN-γは子宮内膜腺上皮細胞のTARC産生に影響を及ぼさなかった。一方、子宮内膜間質細胞ではTARCは全く発現していなかった。 TARCはCCR4を介してThelper(Th)2 lymphocyteに特異的に作用するといわれている。着床期の子宮内膜においては、着床部位へTh2 lymphocyteが局所的に浸潤することが近年報告されたが、Th2 cytokineによる子宮内膜上皮細胞におけるTARCの発現増強が、この現象に関与していることが推測される。Th 1 cytokineおよびTh2 cytokineは子宮内膜、脱落膜からだけでなく、絨毛細胞からも産生されることから、着床期の子宮内膜におけるTARCの発現は、母体からだけでなく、胎芽からの調節も受けているのではないかと考えられた。 我々の研究をさらに進めることにより、着床期の子宮内膜におけるサイトカインネットワークの解明が進むと考えられる。
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Research Products
(6 results)