2004 Fiscal Year Annual Research Report
ラットモデルを用いたpolycystic ovaryの病態研究
Project/Area Number |
16591676
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 俊明 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (90213595)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 英樹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00295346)
|
Keywords | polysyctic ovary syndrome / insulin resistance / adiponectin / testosteorone / BMI / HOMA |
Research Abstract |
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の病態において、近年インスリン抵抗性の役割が注目されている。そのインスリン抵抗性を惹起させる分子としてアディポサイトカインの一つであるadiponectinが上げられる。AdiponectinはAMPキナーゼやPPARαを介してインスリン感受性を増強させる。欧米の報告では、PCOS患者ではadiponectinが低下しておりこれがPCOSの病態と関係していると報告されている一方これは単に肥満の結果でPCOSの病態とは関係がないとする報告もありその意義は確定していない。 今回日本人のPCOS症例85名とBMI<22の非PCOS症例28名をコントロールとして、ホルモン値、血中adiponectin、インスリン抵抗性の指標としてのHOMA値を検討した。以下の数値は全てmeanで示す。 1)LH11.4mIU/ml、FSH6.4mIU/ml、LH/FSH1.79、estradiol50.3、prolactin11.9ng/mlであった。PCOS症例のうちBMI>25は36例、BMI<22は49例で約6割がやせたタイプのPCOSであることが判明した。 2)HOMA値ははBMI>25のPCOS、BMI<22、コントロールでそれぞれ4.8、2.3、1.4だった。またHOMA>2でインスリン抵抗性ありの症例はそれぞれ81%、51%、11%だった。 3)血中adiponectinはBMI>25のPCOS、BMI<22、コントロールでそれぞれのグループで5.8、10.1、12.2μg/mlであり、adiponectin<8で低adiponectinを示す症例はそれぞれ83%、41%、4%だった。 4)PCOS症例におけるadiponectin、HOMA、BMIの関係では、adiponectinとHOMA、BMIとは逆相関し、HOMAとBMIは正の相関を示した。 5)血中testosteroneとHOMA、BMI、adiponectinの関係ではtestosteroneとHOMAの間に弱い正の相関関係があった。 今回の結果からはいわゆるやせたタイプのPCOS症例でも約半数にHOMA値の上昇がみとめられインスリン抵抗性の存在が示唆され、またadiponectinの低下している症例も約4割いることが判明し、このことはPCOS症例におけるadiponectinの低下が肥満によるものでないことが強く示唆された。
|
Research Products
(3 results)