2006 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科悪性腫瘍が産生するカリクレイン属セリンプロテアーゼに関する研究
Project/Area Number |
16591678
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
宮城 悦子 横浜市立大学, 医学部, 準教授 (40275053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平原 史樹 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30201734)
宮城 洋平 神奈川県立がんセンター, 臨床研究所腫瘍病理研究室, 技幹 (00254194)
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Keywords | 卵巣癌 / 浸潤・転移 / セリンプロテアーゼ / カリクレイン / 臨床検体 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
昨年度までの研究で、われわれはヒトカリクレイン(Human KLK)4、5、6、9、10、11の遺伝子発現量比較のために、ABI PRISM 7700 Sequence Detector(ABI)を利用したTaqMan Probe Real-time RT-PCR法の系を確立した。本年度は低悪性度卵巣腫瘍の症例も含む様々な組織型の臨床検体の分析に着手した。 Real-time PCR法にてHuman KLKサブタイプの遺伝子発現を定量的に解析したところ、KLK4およびKLK9の発現は、正常卵巣・低悪性度卵巣腫瘍・卵巣癌組織でほとんど認められないことがわかった。また、KLK5の遺伝子発現は、serous type adenocarcinomaに特異的な可能性が示され、他の組織型での発現は低かった。KLK6は、clear cell adenocarcinomaとserous type adenocarcinomaでは発現頻度が高い傾向が認められた。KLK10は正常卵巣、低悪性度腫瘍、癌組織いずれでも高い遺伝子発現が見出され、特にserous type adenocarcinomaで著しく高い発現が認められた。KLK6、10、11は低悪性度卵巣腫瘍の組織においても高い遺伝子発現が認められることも明らかになった。今回、患者の臨床進行期や予後との相関、腫瘍マーカーCA125との相関についても検討したが、KLKサブタイプ4、5、6、9、10、11といずれの因子の問にも相関は認められなかった
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