2006 Fiscal Year Annual Research Report
癌悪液質における多臓器不全のメカニズム解明とその改善法
Project/Area Number |
16591680
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
石河 修 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80137190)
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Keywords | 癌悪液質 / VX2腫瘍 / 体重減少 / 体構成成分 / 多臓器不全 / アポトーシス |
Research Abstract |
担癌個体にしばしば認められる癌悪液質の病態解明のため、VX2腫瘍移植家兎をもちいて検討を試みた。このモデルは、これまで癌悪液質モデルとしてもちいられてきたが、今年度は基礎実験として移植後の体重の変化、ならびに体構成成分の変化、食餌摂取量の変化を経日的に測定し、このモデルが今回の検討に適しているかを調べた。体重約3,000グラムの日本白色家兎8羽を2群に分け、1群には大腿部にVX2腫瘍細胞1×10^6個を移植し担癌群(n=4)とし、もう1群は同部位に生理食塩水を注射し健常群(n=4)とした。10日ごとに、体重、体構成成分、食餌摂取量を測定した。体重は、担癌群で移植後より緩徐に減少し始めたが、40日目よりその減少率は著明に増加し、健常群との比較でも、有意に減少を認めた。体構成成分については、体重と同様の変化を認めたが、健常群との比較では担癌初期より有意な差を認めた。食餌摂取量は、40日目まで両群間に有意差は認められなかったが、50日目および60日目で担癌群の食餌摂取量は健常群に比較して有意に減少した。以上の結果から、このモデルにおける体重減少は、担癌初期の緩徐な体重減少に引き続き、末期の急激な体重減少が惹き起こされることが示された。しかしながら、食餌摂取量は有意な体重差が生じた時点では両群間に有意な差が認められないことが示され、このモデルが癌悪液質モデルとして適していることが確認された。 昨年度は、この2群での筋肉、脂肪組織、肝臓、膵臓、脾臓、腎臓、肺臓、心臓の形態学的変化を検討するために、20日目、40日目、60日目で各臓器を摘出し、パラフィン包埋切片を作製し免疫組織化学的検討をおこなった。また、各種臓器のDNAを抽出しアポトーシスの発現について検討した。 今年度は、これらのn数を増やして、さらに10日目、30日目、50日目についても各種臓器を摘出し、形態学的検討をおこなった。 現在、論文投稿中である。
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