2005 Fiscal Year Annual Research Report
異常妊娠の胎盤のトロホブラスト機能に与える各種サイトカインの影響
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16591681
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| Research Institution | International University of Health and Welfare |
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Principal Investigator |
林 雅敏 国際医療福祉大学, 保健学部, 教授 (90164962)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大藏 健義 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80092394)
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| Keywords | tumor necrosis factor-α / interleukin-6 / granulocyte-macrophage colony-stimulating factor / macrophage colony-stimulating factor / serum / placenta / amniotic fluid |
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| Research Abstract |
さまざまなcytokineが胎盤に大量に存在しており、胎盤の増殖・分化を促進することから、妊娠および胎盤の維持にcytokineが重要な役割を担っていると想定されます。tumor necrosis factor-α(TNF-α)は妊娠高血圧症候群の血清中では高濃度を示しますが、胎盤組織中濃度および胎盤免疫染色による局在の検討では正常妊娠群に比較して有意の差を認めませんでした。血清中ではTNF-α血管内皮細胞を傷害するなど、妊娠高血圧症候群の病態に関与していますが、本症の胎盤を含むmaternal-fetal interfaceでは本症候群の病態の発現に関してTNF-αが重要な役割を担っていない可能性が示唆されました。
Interleukin-6(IL-6)は血清中でも胎盤組織中でも妊娠高血圧症候群では高濃度を示さず、胎盤免疫染色による局在の検討でも正常妊娠群に比較して有意の差を認めませんでした。IL-6は胎盤の増殖・分化を促進していますが、血清中と胎盤を含むmaternal-fetal interfaceでは、本症候群の病態の発現に関してIL-6が重要な役割を担っていない可能性が示唆されました。
感染症のない妊婦から羊水を採取して、羊水中のgranulocyte-macrophage colony-stimulating factor(GM-CSF)濃度を、陣痛の発来の前後で比較し、陣痛発来後の子宮口開大の前半期(5cm以下の開大)と後半期(5cm以上の開大)とを比較しますと、有意の差を認めませんでした。GM-CSFは胎盤の増殖・分化を促進しますが、陣痛の発来および陣痛の増強には関与していないと想定されました。また陣痛によってその濃度が変化しないことが確認されました。
Macrophage colony-stimulating factor(M-CSF)は血清中でも胎盤組織中でも妊娠高血圧症候群では有意に高濃度となり、本症候群の病態の発現に関連していると想定されています。妊娠38週前後の分娩の時点で感染症のない妊婦から羊水を採取し、羊水中のM-CSF濃度を測定して、妊娠高血圧症候群と正常妊娠群の2群間で比較しました。その結果、前者の方が有意に高い濃度を示しました。したがって、羊水中ではM-CSFが本症候群の病態に重要な役割を担っている可能性が示唆されました。
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