2005 Fiscal Year Annual Research Report
子宮筋腫・子宮内膜症の発症と骨盤痛発生に関与する発現遺伝子の解析
Project/Area Number |
16591685
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
浅田 弘法 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60231883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 哲夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10209702)
小崎 健次郎 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (30234743)
吉村 泰典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10129736)
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Keywords | 子宮内膜症 / LXA4R / MMP-8 |
Research Abstract |
われわれは、子宮内膜症および子宮筋腫の発症と進展に関与する因子を探索してきた。特に、炎症および疼痛に関与すると強く推測される因子の探索に重点をおいて探索を進めてきた。昨年度行った、エストロゲンおよびプロゲステロンの急速離脱にともなう遺伝子の発現のmicroarrayによる網羅的探索modelにより発現が増強した遺伝子13個、発現が低下した遺伝子が32個検出された(ESHRE, 2004. oral presentation)。従来から子宮内膜症に特異的に発現が増強しているMCP-1およびIL-8なども、今回発現が増強している遺伝子群に含まれるため、このmodelが子宮内膜症関連遺伝子の探索に適切であることが確認された。発現増強している遺伝子群のなかでもMMP-8に注目して探索を進めたが、MMP-8は子宮内膜症組織でやや増強が認められるものの、病巣における発現が子宮内膜症の進展と関与していることは明確では無かった。 また、炎症の促進と抑制という観点から、脂質関連因子の探索も同時に施行した。子宮内膜症組織と正常子宮内膜における発現遺伝子を探索した。ロイコトリエンのレセプターアンタゴニストが子宮内膜症性疼痛の一部に有効であることが報告されていたため、5-LOXの発現を検討するとともに、疼痛関連脂質メディエーターのなかで、抗炎症作用があると予測されるLipoxinA4レセプターであるLXA4Rの発現についても、子宮内膜症病巣との関連を探索した。腹腔鏡手術を中心とした手術所見および病理所見により子宮内膜症と確実に診断がなされた患者から、同意を得た上で検体を集積し子宮内膜症の進展と特定の遺伝子発現に関して検討を行った。子宮内膜症の病状進展とLXA4Rおよび5-LOXの発現とはいまのところ関連性は認められなかったが、子宮内膜症組織において、LXA4Rの発現増強があることが観察され、病巣発症に関与していることが示唆された。
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Research Products
(8 results)