2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト子宮体癌を移植した新しい動物実験系を用いたヒト腫瘍免疫系の解析と臨床への応用
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16591686
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
塚本 真 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50365441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
野澤 志朗 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051557)
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Keywords | T細胞 / 子宮体癌 / MSI / 制御性T細胞 / 腫瘍抗原 / 免疫不全マウス / 免疫抑制 |
Research Abstract |
a.腫瘍浸潤T細胞を用いた腫瘍抗原の単離同定 申請者のグループの研究により、患者からの腫瘍組織を移植した免疫不全マウス体内では、腫瘍浸潤ヒトT細胞が増殖することが判明しており、同時に移植した癌細胞の維持も可能である。この材料を用いて腫瘍反応性T細胞の樹立が比較的容易になった。従来のin vitroでの腫瘍反応性T細胞の樹立に加えて、腫瘍と共にT細胞を他の免疫不全マウスへ植え継ぐことによって、in vivoにおける腫瘍特異的T細胞を維持する方法を開発中である。 b.子宮体癌患者由来の末梢血単核球を用いた腫瘍細胞反応性T細胞の誘導 我々が単離同定した腫瘍抗原由来ペプチドを用いて、患者末梢血単核球またはHLA-A24トランスジェニックマウスを用いて腫瘍反応性T細胞の誘導に成功し、複数の腫瘍抗原エピトープを同定した。 c.腫瘍に浸潤している免疫担当細胞の解析と腫瘍免疫における役割の解明 ヒト子宮体癌組織に浸潤している免疫担当細胞の種類、状態などを解析した。特に、MSIの有無による浸潤細胞の相違についても検討した。腫瘍を移植した免疫不全マウスにおいて増殖した腫瘍浸潤T細胞のレパトア解析をT細胞レセプター(TCR)β鎖の可変部位の特異抗体などで行ったところ、oligo clonalな細胞増殖をしていることが明らかとなった。 d.腫瘍内部環境における腫瘍免疫系の抑制要因の解析 MSI陽性悪性腫瘍などでは、腫瘍内に多数のT細胞浸潤を認めることがあるにもかかわらず、抗腫瘍効果が十分に発揮されない理由として、腫瘍による免疫抑制機序が考えられている。近年、腫瘍免疫抑制に関わることが示唆されている制御性T細胞浸潤の有無(Foxp3、GITR高発現CD4^+T細胞など)、癌細胞、マクロファージなどから産生される抑制性サイトカイン(IL-10、TGFβなど)やPGE2の産生など、抗腫瘍免疫応答の抑制に関わる要因についても解析している。Foxp3の発現を指標として腫瘍抗原に対する制御性T細胞の抑制系の解析を進めている。この機序の解明による、新たな腫瘍免疫療法の開発を進めている。
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Research Products
(2 results)