2004 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頸癌移植免疫不全マウス血清を用いたSEREX法による子宮頸癌抗原の単離同定
Project/Area Number |
16591687
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤田 知信 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20199334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 ゆり子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255435)
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
野澤 志朗 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051557)
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Keywords | SEREX / 子宮頚癌 / 子宮体癌 / 免疫不全マウス / 癌抗原 |
Research Abstract |
本研究では、新しい各種分子生物学的・免疫学的手法を用いて、免疫療法や分子標的療法の標的となる子宮頸部腺癌抗原を単離・同定し、診断・治療の基盤を作ることを目的とした。 1.子宮頸癌患者検体(腫瘍組織、血清、末梢血リンパ球など)の採取保存:これまでに子宮頸癌患者より、15例の手術時腫瘍組織、21例の血液を採取し、保存した。 2.免疫不全(SCID)マウスへの腫瘍組織移植によるヒトIgG抗体の産生:現在11例の子宮頸癌組織をSCIDマウスに移植し、マウス血清中にヒトIgG抗体の産生を8例に確認し、DNA発現クローニング用の血清を採取保存した。 3.ヒト腫瘍移植SCIDマウス血清と患者血清を用いたSEREX法によるcDNA発現クローニング:子宮頸部腺癌細胞株であるTCO-1、扁平上皮癌細胞株であるSKG-2,SKG-3b、2例の患者腫瘍組織からλファージcDNA発現ライブラリーを作製した。子宮頸部腺癌の1症例からヒト腫瘍移植SCIDマウス血清および患者血清を用い、それぞれ50万クローンのcDNA発現クローニングを行った。各種遺伝子データベースを用いたホモロジー解析を行い、現在9種類18の遺伝子を同定した。その中には腎細胞癌でのSEREX法により同定され、すでに報告のあるNY-REN-antigenや、抗原提示細胞の分子シャペロンの機能を持ち、ペプチドワクチン療法への応用が研究されているTumor Rejection Antigen-1 (gp96)などの腫瘍免疫に関連した遺伝子が含まれており、本方法によるスクリーニングが腫瘍抗原同定に有用であることが確認された。今後、単離遺伝子の各種正常組織および癌細胞におけるmRNA発現をRT-PCR法などによって検討し、癌特異的発現や癌に高発現している遺伝子を選択する。 4.選択した抗原の免疫原性の検討 単離癌抗原の免疫原性を評価するために、ウエスタンブロット法やELISA法で子宮頸部腺癌患者血清中にIgG抗体が存在するかどうかを調べるため、組換えタンパクを作製中である。
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Research Products
(2 results)