2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)による頭頚部発癌の分子メカニズムの解明について
Project/Area Number |
16591704
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
峯田 周幸 国立大学法人浜松医科大学, 医学部, 教授 (40190714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 克敏 国立大学法人浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教授 (20173974)
武林 悟 国立大学法人浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (70283356)
佐々木 豊 国立大学法人浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (40324363)
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Keywords | ヒト乳頭腫ウイルス / 頭頚部癌 |
Research Abstract |
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)による発癌と考えられる上顎癌症例から癌組織を採取し(浜松医科大学倫理委員会の承認済)、細胞株を樹立した。また、従来HPVタイプ18による発癌といわれているHela細胞を陽性コントロールとして細胞培養した。HPVのE6遺伝子とE7遺伝子の発現が細胞の癌化に決定的な要因と考えられてきたが、E2遺伝子の断裂による発現低下が、E6とE7遺伝子の発現を上昇させるという報告がなされた。その想定のもとに、野生型E2遺伝子をそれぞれの細胞に導入して、E2遺伝子および蛋白の発現量を確認して、遺伝子導入が成功したことを確認した。さらにE6とE7遺伝子のシークエンスを行い、E2遺伝子とE6とE7遺伝子との関係をみた。今後E2遺伝子を導入した細胞をヌードマウスに移植して発がん性の変化を追う予定である。 従来の頭頚部癌パラフィン切片からin site hybridization法でHPVタイプ16と18のウイルスゲノムを同定した。ウイルスゲノムの検出にはPCR法、免疫染色法、サザンブロット法などもあるが、われわれの検討ではin site hybridization法が最もその感度と精度からみて、有効な方法であると思われた。そしてその方法で頭頚部癌のHPVゲノムの検出をすると、中咽頭癌や下咽頭癌に多く検出されたが、上咽頭癌や喉頭癌には少なかった。病期や組織分化度とは相関はなかった。発癌のメカニズムは他の腫瘍関連遺伝子との相互作用が強く示唆された。
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Research Products
(2 results)