2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)による頭頸部発癌の分子メカニズムの解明について
Project/Area Number |
16591704
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
峯田 周幸 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40190714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 克敏 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教授 (20173974)
武林 悟 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (70283356)
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Keywords | HPV / 頭頚部癌 |
Research Abstract |
頭頚部癌はヒト乳頭腫ウイルスに(HPV)よる感染と因果関係が深い、といわれている。我々は臨床検体から中咽頭(特に扁桃)癌と極めて密接に関係していることを報告した。そしてHPVタイプ16が多く癌組織に発現していた。HPVが頭頚部組織に感染し、早期遺伝子E2がプロモーター領域で切断され、環状ウイルスが線状ウイルスに変化する。E2遺伝子によるE6およびE7遺伝子への抑制がとれる。そしてE6およびE7遺伝子が過剰発現することによってE6遺伝子産物はp53遺伝子に、E7遺伝子産物はRb遺伝子に結合して、それぞれの腫瘍抑制遺伝子を不活化する。これがHPVによる発癌メカニズムの一つと考えられている。そこで頭頚部癌の培養細胞に野生型E2遺伝子を導入することによって、癌細胞の消退あるいは増殖能低下を確認できるか検討した。インフォームドコンセントおよび浜松医科大学倫理委員会規定に則り採取した癌組織のうち4株で株化できた。現在、野生型E2遺伝子を遺伝子導入をはかり、その確認を行い、培養細胞のdoubling timeを計測している。今後アポトーシスの程度を確認する予定でいる。 また、もう一つの実験系では、E6およびE7遺伝子をRNA干渉を用いて頭頚部癌細胞の発育程度を調べている。 臨床ではおおよそ20%の頭頚部癌細胞からHPVが検出されているが、p53遺伝子の発現異常とは相関はなく、PTEN(phaosphatase and tensin homolog)遺伝子の不活化と密接な関係があり、学会報告した。
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Research Products
(9 results)