2006 Fiscal Year Annual Research Report
中耳の炎症病態における自然免疫の関与とToll-like receptorの役割
Project/Area Number |
16591709
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
村田 明道 島根大学, 医学部, 助手 (90346388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川内 秀之 島根大学, 医学部, 教授 (50161279)
清水 保彦 島根大学, 医学部, 助手 (60418788)
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Keywords | 気道上皮細胞 / 副鼻腔炎 / 中耳炎 / 肥満細胞 / Toll-like receptor / RT-PCR / アレルギー性鼻炎 / 早期介入療法 |
Research Abstract |
副鼻腔炎や中耳炎など上気道の炎症性疾患の病態形成における気道上皮細胞の役割を検討するため、上気道粘膜上皮に発現したToll-like receptor(TLR)とそのリガンドとなる菌体抗原を用いて、種々の検討を行った。 1:上気道粘膜由来の上皮細胞培養株の樹立 気道上皮から確立されたコマーシャルベースの細胞株やマクロファージの細胞株を使用すると同時に、鼻粘膜や中耳粘膜から採取した上皮細胞を用いて、培養細胞株の樹立を図った。その結果、ヒト鼻粘膜上皮細胞を採取し、HPV16-E7をトランスフェクションし不死化を図り、2系統の細胞培養株(HNEC1,HNEC2)を樹立した。 2:上気道細胞株におけるTLR遺伝子発現 HNEC1およびHNEC2を20代継代した後、trizolを用いてtotalRNAを採取し、TLR1-TLR10特異的遺伝子発現についてRT-PCR法にて解析した。TLR2,TLR3およびTLR6特異的遺伝子発現をHNEC1,HNEC2いずれにおいても確認した。TLR4についてはHNEC2にのみ確認された。 3:気道上皮細胞・肥満細胞からのケモカイン・サイトカイン産生におけるアレルギー治療薬の抑制効果 上気道の炎症病態に関わる肥満細胞や上皮細胞をIgEのクロスリンキングやPAMPにより刺激し、サイトカインやケモカイン産生のin vitroの実験系やin vivoでの急性鼻炎モデルを確立して、抗ヒスタミン薬や免疫修飾作用のある薬剤を用いた炎症病態の制御に関する種々の検討を行い、成果をあげた。 4:溶連菌製剤OK432を用いた内因性IL-12産生の誘導とマウスアレルギー性鼻炎の抑制 OK-432は主としてTLR2を介し、単球系細胞よりIL-12産生を誘導することにより、抗原特異的Th2応答を制御し、マウスアレルギー性鼻炎モデルにおいて、誘導相でのOK-432の投与が抑制効果を発揮し、アレルギー性鼻炎の予防的治療(早期介入療法)への応用が期待される。
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Research Products
(3 results)