2005 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部癌個々の増殖因子の同定と腫瘍根絶を目ざした治療法への応用
Project/Area Number |
16591718
|
Research Institution | Department of Biology and Function in the Head and Neck Yokohama City University Graduate School of Medicine |
Principal Investigator |
佃 守 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70142370)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 康和 横浜市立大学, 医学部, 準教授 (10322356)
堀内 長一 横浜市立大学, 医学部, 助手 (40295499)
|
Keywords | 頭頸部癌 / 増殖因子 / 上皮成長因子 / 血管新生因子 |
Research Abstract |
頭頸部進行癌は予後が悪い。従来の根治的治療である手術、放射線治療またこの併用療法によっても予後の改善は得られていない。この大きな要因として局所再発や遠隔転移が挙げられる。頭頸部癌の90%を占める扁平上皮癌の生物学的性格を知ることが予後の悪い頭頸部癌の予後の向上には必須と考えられる。そこで当科で保有する頭頸部扁平上皮癌培養細胞を用いてその増殖・転移因子の生物学的特性を検索するとともに、様々な分子標的剤を用いて増殖抑制を検討した。 まず、EGFRの遺伝子変異を検索したところ、exon20においてhetero typeの遺伝子変異(2361G->A)が見つかり、この遺伝子変異を持つ細胞株はwild typeの細胞株と比べるとgefitinibに対するIC_<50>値が有意に低かったことから、頭頸部扁平上皮癌においてEGFRの遺伝子変異を検索することでgefitinibの有効性が予測可能であることが示唆された。 また、腫瘍における血管新生において最も重要であるVEGF pathwayの阻害剤(bevacizumab)と、VEGFのレセプターであるVEGFR-2とEGFRのチロシンキナーゼ阻害作用を持つZD6474の抗腫瘍効果ついて検討した。bevacizumabはin vitroにおける細胞増殖抑制効果は認めなかったが、in vivoにおいて抗腫瘍効果があり、apoptosis誘導、血管新生阻害を認めた。またZD6474はin vitroでの増殖抑制効果と、VEGFR-2、EGFRのリン酸化とMAPKの阻害作用があり、in vivoでは抗腫瘍効果、apoptosis誘導、血管新生阻害を認めた。ZD6474はVEGFR-2を介する血管新生阻害とそれに伴うindirectな抗腫瘍効果、さらにEGFRを介する腫瘍増殖抑制による抗腫瘍効果があることが示唆された。
|
Research Products
(22 results)